“青色申告の基礎知識”と決算書(貸借対照表・損益計算書)を簡単に作成できる“青色申告の会計ソフト”
簿記の基礎知識を、過去にこのブログでまとめていたのですが、個人事業やフリーランスで青色申告を行う場合は『青色申告の会計ソフト』を使うと基本的に簿記や会計の知識はほとんど無くても、確定申告を的確に行うことが出来ます。青色申告を行いたい場合には、『個人事業開業届書』を提出して2ヶ月以内に『所得税の青色申告承認申請書』を出す必要があります。どの会計ソフトがもっとも使いやすいのかは断言できませんが、比較的評判の良いポピュラーなソフトとして、『みんなの青色申告(ソリマチ株式会社)』や『やよいの青色申告(弥生株式会社)』『青色申告らくだプロ』などがあります。
基本的に、よほど複雑な会計処理を必要とする業種以外ではどれを使っても使用感はさほど変わりませんし、売掛金や買掛金などが少なければ作業工程は極めて少なくて済みます。青色申告のレベルで少し難しい会計処理といえば、『棚卸しの在庫処理』や『固定資産の減価償却の処理』『専従者の給与控除』くらいであり、仕入れが余りないサービス業とかインターネット限定のビジネスなどの場合には比較的簡単に決算書作成に行き着くことが出来ます。
手書きで青色申告の帳簿をつける場合には、『現金出納帳・預金出納帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳』などの帳簿をつけて、『仕訳帳・総勘定元帳』などを複式簿記で完成させる必要がありますが、それらは最終的に財務諸表(決算書)を作成するためのものです。財務諸表(決算書)というのは、『貸借対照表・損益計算書』のことであり、青色申告に必要な『青色申告決算書』というのはこの二つの決算書のことを指しているわけです。青色申告で税務署に提出する書類は、『確定申告書B(納税額の計算書)』と『青色申告決算書(4枚綴り)』『各種の控除証明書』であり、上記した複数の帳簿や保管すべき領収書はそれらの提出書類の内容が正しいことを証明するものになります。
青色申告のメリットは「65万円」の青色申告特別控除と専従者給与の控除を受けられることですが、その為には貸借対照表と損益計算書の決算書を作成するために複数の帳簿をつけなければなりません。しかし、会計ソフトを使えば実際につける帳簿は『現金出納帳・預金出納帳』の2種類に限られ、その他の帳簿には自動的に転記されて決算書も最終的に自動で出来上がるようになっていますので、1万円程度で買える青色申告の会計ソフトを買ったほうが絶対に得だということになります。
会計ソフトでは、実際にこまめにつける帳簿は『現金出納帳(現金の流れを書き残すもの)』だけであり、1ヶ月に1~2回『預金出納帳(事業用通帳の預金の変化を書き残すもの)』を合わせてつければ問題なく青色申告の会計処理を行うことが出来ます。記帳には『勘定科目』が必要になりますが、あまり深く考えて細かな勘定科目を設定すると記帳内容が分かりづらくなります。その為、一般的な個人事業で使う勘定科目であれば、以下のようなものだけに限定したほうが分かりやすいでしょう。
貸借対照表(B/S)では、借方(左側)に『資産(現金・預金・売掛金など)』、貸方(右側)に『負債(買掛金・借入金・未払金など)』+『資本(元入金)』が来て、借方と貸方の合計金額はいつも等しくなります。損益計算書(P/L)では、借方(左側)に『費用(接待交際費・交通費・消耗品費など)』+『利益(所得)』、貸方(右側)に『収益(売上高+利息など)』が来て、借方と貸方の合計金額はいつも等しくなります。会計ソフトでは、現金出納帳と預金出納帳を正確に入力していれば、それらの決算書は自動的に出来上がります。