医師のインターネット上での「患者(遺族)批判の不適切な書き込み・攻撃的な情報発信」について日本医師会が警告!
『医療裁判・医療事故・診断ミス・死亡事例』などを巡って、医師と患者の関係性がこじれる問題が多く発生しているが、最近では医師のインターネット上における『行き過ぎた患者(遺族)バッシング』が問題視されているようです。『モンスター・ペイシエント(非常識な要求・クレームを行う患者)』という用語が一般に普及し始めているように、中には患者の側が明らかに間違っていて不当な主張・要求をしていることもあるのですが、ネット上では正規の法手続きを経た医療裁判などに対しても、医師が不満や怒り・非難、悪意をぶつけるケースが増えているといいます。
『真面目な医師のモチベーションまで低下させる不当な裁判・標準的な医療行為の結果としての死亡事例に対して因縁をつけている・病院から慰謝料を得るための金目当ての裁判・ここまでむちゃな責任追及をされるなら誰も産科医や小児科医になるはずがない・医療を必ず患者が助けられる(どんなに僅かなリスクも見逃さない)万能の魔法か何かと勘違いするな・これ以上出産するのは無理という医師のアドバイスを無視して妊娠した被害者にも問題がある』といった内容のコメントが、医師が集まる掲示板やコミュニティで書き込まれているということですが……。
ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷
医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた。
この対立の構図は、『医療システムの持続性VS患者の個人的な感情・権利』にあるのでなかなか双方が納得いく結論には落ち着かないでしょう。医師側からすれば『標準医療の方法論と必要限度の注意力を用いて診察・治療したのだから、結果としての死亡には責任を追及される筋合いはない(医師はすべての患者をどんなケースにおいても救える万能の神ではない)』という主張になりますし、患者側からすれば『死んだ患者(家族)は二度と戻ってこないので、僅かでも医師に注意不足・判断のズレや他の治療の選択肢があったのであれば、それは医師の医療ミスなのではないか』という主張に傾きやすいのだと思われます。
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テーマ : 医療・健康
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