“政治・経済・社会・時事問題”についてのハードなニュースと“芸能界・IT・ウェブ・商品情報”についてのソフトなニュースを気楽に整理するブログです!
多発性骨髄腫の治療薬としてサリドマイドが条件つきで承認!
サリドマイドというと悲惨な薬害事件を起こした睡眠薬を思い出させられますが、その後、サリドマイドに血液ガンの多発性骨髄腫等に対する優れた鎮静・鎮痛効果があることが見つかっており、患者や家族からサリドマイドの再承認が期待されていました。サリドマイドの副作用は妊娠中の女性の胎内にいる胎児に対して起こるものであり、妊婦がサリドマイドを服用し続けると胎児に四肢欠損(腕や足の発生障害)などの発育障害が発生するリスクがあります。そのため、特定のがん疾患に対する使用が再承認されても、妊婦及び妊娠する可能性のある女性には禁忌となります。日本ではサリドマイド被害が相次いだ状況を受けて1962年に販売が禁止されていましたが、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の医薬品部会は8月27日に、血液がんの一つ「多発性骨髄腫」の治療薬として承認することを決定しました。
しかし、間違った処方や使用が為されると重大な副作用をもたらす危険がありますので、安全管理体制には万全な注意が必要となり、厚生労働省は以下の3つの条件を提示しています。
(1)安全管理の適正な実施(2)患者への文書による説明と同意取得(3)全症例を対象にした使用成績調査と販売後の安全性・有効性に関するデータ収集
しかし、アメリカや欧州諸国など17カ国で既にサリドマイドは承認されており、多発性骨髄腫に適切な投与をすれば十分な延命治療効果があることが分かっています。日本でも希望する患者に医師が個人輸入して処方していましたが、個人輸入で保険非適応だと「自由診療扱い」になってかなり高額な医療費を負担しなければならなくなります。販売元の藤本製薬は被害者団体などの要望に沿って再発防止のための「安全管理基準案」を作成していますが、サリドマイド被害者団体「いしずえ」の佐藤嗣道理事長は『被害を受けた薬が承認されるのは、体が引き裂かれる思いだが、一方で健康を大事に思う身として、患者さんの治療に役立ってほしい。安全管理基準に被害防止のための実効性を持たせることが重要だ』とコメントしています。
韓国で鳥インフルエンザの警報レベル引き上げ、日本も新型インフルエンザに対し事前接種!
韓国で鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染地域拡大の恐れが強まっていて、国家危機警報のレベルが「注意」から「警戒」へと1段階引き上げられたそうです。鳥インフルエンザをはじめとする新型インフルエンザの感染拡大には『決定的・根本的な対処法』がないので、現時点ではパンデミック(感染爆発・大量感染)を予防するために予防接種やタミフルの備蓄などの対処法が勧められています。韓国では全羅道(韓国南西部)での感染が拡大していて、警報レベルが「警戒」に引き上げられたのですが、これによって防疫や鶏の処分などの作業に軍・警察が緊急避難的に投入できるそうです。更に、地方自治体が政府からの感染防止のための資金支援を受けることができ、国家全体でより効果的な医療防疫体制・感染防止システムを整えることができます。
4月3日までに、病原性の強い鳥インフルエンザウイルスが韓国の全羅道をはじめとして21箇所で確認されており、首都ソウル近郊の京畿道でも感染の疑いのあるウイルスが検出されています。韓国全土への感染地域への拡大を未然に確実に抑止するために、警報レベルの引き上げで全国規模に適用を拡大したということですが……日本と韓国は地理的に非常に接近しているので、新型インフルエンザの発生・拡大は心配なニュースではあります。
日本でも新型インフルエンザに効果的かつ迅速に対応するために、インフルエンザ治療薬(抗ウイルス薬)のタミフルと鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)のワクチンの備蓄が進められていて、最近は「一般の国民にもインフルエンザウイルス・ワクチンを事前接種すべきなのか?」という議論が行われているようです。現在の政府・厚労省のインフルエンザ対策では、2009年度から警察官や水道・電気関係者ら社会機能を維持する職種計1000万人を対象として「事前接種」を義務付ける計画が立てられていますが、一般国民が事前接種を受けたほうが良いのかについては、専門家でも「副作用・安全性の観点」から意見が分かれているようです。
高齢者の医療費抑制を目的とする後期高齢者医療制度がスタート!
75歳以上の高齢者を対象にした「後期高齢者医療制度」がスタートしましたが、厚生労働省は名称からイメージされる「高齢者の医療負担の前期・後期の切り分けの要素」を弱めるために「長寿医療制度」への名称変更を決めました。この長寿医療制度(後期高齢者医療制度)は一般的には「高齢者の医療費抑制」を目的にしたもので「高齢者の保険料負担」を高めるものですが、高齢化社会が急速に進む中では一概に完全否定できない改革であると考えます。
高齢化社会の中で膨張する医療費を、高齢者にも応分に負担してもらうという目的は理解できるものなのですが、問題は「生活が本当に苦しい低所得・無資産・生活保護層の高齢者」にはできるだけ負担を負わせないようにしなくてはならないということでしょう。現役労働者層にも高額所得者もいれば低額所得者もいて、所有している資産には大きな違いがあるわけですが、「高齢者の資産・所得格差」にはそれ以上の大きな開きがあり、「今以上の負担ができる層・できない層」の区別をはっきりとつける必要があると思います。年金でも月額30万円以上の現役と変わらないくらいのお金を貰っている人もいれば、国民年金だけで月額6万円程度しか貰っていない人もいて、生きていくのが精一杯の老人もいれば、子どもに家を建ててあげたり海外旅行に毎年いけるような裕福な老人も多くいます。
1人当たりの医療費の多い都道府県に住む高齢者や高所得者に高めの保険料を負担してもらうという、『長寿医療制度の趣旨』を厳密に運用するのであればいいと思うのですが、問題は「高齢者の年金額」しか基準にしていないために「高齢者の本当の生活水準」が見えにくいということですね。しかも、月1万5000円以上の年金受給者は保険料が年金から天引きされるということで、「最低基準の金額が低すぎる」ために本当に生活に困窮している老人まで保険料が値上がりして、最後には保険証を失ってしまうというリスクがあります。高齢者の経済状況を理解するためには「保有資産のポートフォリオ(不動産・株券・債券・預金残高など)」を把握して、資産が数千万円以上あって年金が月額10万円以上ある高齢者世帯だけを値上げするとかいうようにしないと、貧困層に該当する高齢者までもが健康保険料の支払いで追い詰められるのではないかと懸念します。
医療法改正で「出産のできる助産所」が1割減る!
少子化問題の対策では、「安心して出産ができる場所(病院・産婦人科医院・助産所)」の確保が重要になってきますが、医療法の改正により「医師・医療機関と提携していない助産所」が妊婦の出産を取り扱えなくなりました。ここ10年ほどはあらゆる分野で「規制緩和の流れ」が進んで、日本の市場環境の健全化が促されてきましたが、最近では「専門性の高い職業分野」で規制緩和に逆行する規制強化が進んでいる現状があります。
特に、医療関係分野では薬剤師などの受験資格の認定基準が高くなったり、医師の専門性の認定水準が厳しくなったりしています。以前は、医師といえば全身の疾患を大まかに診察できるような医療全般の専門家というイメージが定着していましたが、最近は医療分野の高度な専門化が進んだことや医療裁判のリスクが高くなったことから、『自分の専門分野以外の病気について軽々しく診断を下せない』という慎重な医師が増えています。救急医療における「たらい回しの問題」がメディアでよく取りざたされますが、その原因の一つは「自分は内科医ではあるけれど小児科医でないから急病の子どもを見るのはちょっと……。今いる医師の専門分野だけでは十分に安全な診療体制を確保できない……」といった「万が一の場合のリスク」を考えているということがあるように思います。
医療分野の危機には、健康保険制度に関係する国家財政的な問題以外にも、必要な診療科に医師が集まらないことによる「医師の労働環境の悪化」、そして、善意で全力の医療を尽くしても確率論的に起こってしまう「死亡事例への恐怖(医療訴訟を想定した萎縮医療)」などが関係しています。助産所に医療機関との提携を義務付けるのは、「万全の安全管理義務への配慮」というのが最大の理由ですが、この法改正によって、医療機関が近辺にない助産所の場合には出産を取り扱うことが不可能になりました。
タミフルの効かないインフルエンザの感染を5人に確認!
インフルエンザ治療薬のタミフル(リン酸オセルタミビル)の副作用の問題(異常行動による高所からの飛び降り)が大きく取り上げられることが多いのですが、タミフルと異常行動の因果関係はいまだはっきりしておらず、インフルエンザの症状悪化によって異常行動や意識障害などが起こることも多いようです。いずれにしても、リレンザ・シンメトレルと並んでインフルエンザの数少ない治療薬であるタミフルは、『リスク対効果』及び『本人(保護者)の同意の有無』を考えて利用されるべき薬だと思います。処方後のトラブルを避けるためには、副作用の可能性など十分なインフォームドコンセントを行う必要があると思いますが、『パンデミック(世界的な感染爆発)』のリスクを考えるとタミフルやリレンザそのものが不要だとまでは言えないでしょう。ある程度のリスクがあっても、新型インフルエンザが急速に感染範囲を広げている緊急事態には、タミフルやリレンザを使わざるを得ないということになりますが、タミフルなどの治療薬だけで、(変異して)耐性が生まれやすいインフルエンザウイルスに十分に対応できるかは分からない部分があります。
日本がタミフルを諸外国以上に大量に備蓄しているのも予測不能なパンデミックに備えるためだと言われていますが、このタミフルに耐性を持った新種のインフルエンザウイルスも登場してきているようです。横浜市衛生研究所の調査によると、今季5人のインフルエンザ患者(8〜13歳)でタミフルが効かない事例が報告されており、この耐性ウイルスはAソ連型だということです。しかし、今季のインフルエンザのピークは過ぎており、これらの耐性ウイルスの大量感染のリスクはまずないということなので、とりあえずは安心できそうです。タミフルに耐性が出来たウイルスに対処するためには、タミフル以外の複数の治療薬を備蓄することが必要であり、日本の保健医療の予防体制の見直しが迫られることになりそうです。WHOの調査では、ヨーロッパ諸国を中心として、耐性ウイルスの発生率が高まっているということなので、国際的に連帯したインフルエンザ対策(空気感染の感染症対策)が必要になってきますね。
タミフルと異常行動との因果関係分からず、10代のタミフル使用は禁止を継続!
インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)を飲んだ10代の患者が、突然、異常行動を示してマンションから飛び降りるなどの事例が続きました。しかし、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は25日、タミフルと異常行動の因果関係は現時点では判定できないという検証結果を示しており、以前としてインフルエンザに罹患した10代の患者がタミフルを飲んだ方がいいのか飲まない方が安全なのかの結論は出ていません。しかし、最近はC型肝炎などの薬害の問題もあり、厚生労働省は少しでも副作用の疑いがあるのであれば、飲まないほうが安全であろうという方針を取っているようで、10代へのタミフル使用を原則中止している措置は「妥当」とする見解をまとめています。
一般的に、インフルエンザに感染しても10代の体力のある患者であれば自然治癒するケースが大部分ですから、タミフルは飲まないなら飲まなくても良い薬剤だと思いますが、できるだけ早く高熱を下げて楽になりたいというニーズもあるでしょうから難しい問題ですね。飛び降りや徘徊(うろつき)などの異常行動の原因が、タミフルの薬剤にあるのかそれともインフルエンザウイルスによる症状(高熱による幻覚など)の影響なのかを確定するのは現段階では困難だと思いますが、インフルエンザの症状でも異常行動を示すリスクがあるのですからどちらが危険とは断言しにくい問題でもあると思います。厚生労働省の立場からすると、タミフルが完全に安全と断言して、もしタミフルを飲んだ子どもが飛び降りて死亡したら責任を負いきれないというのもあるでしょうし、薬害問題に対して国や省庁がナーバスというか非常に慎重になっていることも関係しています(薬剤使用について十分な調査と注意をすることは、薬害防止の観点から望ましいことですが)。
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