GoogleとYahoo!の検索環境が整備されることで、子ども達の学習方法が変わる?
インターネットの普及によって僕たちは世界中の情報にアクセスすることが出来るようになった。しかし、膨大な数のクローラーによってインターネット全体のコンテンツ(情報)を収集して検索可能にする「Googleのロボット型検索」が登場するまで、僕たちはYahoo!のようなディレクトリ検索でお目当てのサイトを探すしか方法がなかった。
現在では、Yahoo!もYST(Yahoo! Search Technology)という立派な精度の高いロボット型検索エンジンを持つようになっているけど、インターネット全体の情報を体系化して検索可能にするロボット型検索エンジンの元祖Googleの登場が持つ意義は余りに大きい。一部の人たちはGoogleの検索エンジンのことを「Google先生」と呼び、Googleに検索クエリを打ち込んで欲しい情報を探すことを「ググる」という。
常時接続のブロードバンド環境で、21世紀の情報化社会に生きる僕たちの多くは、百科事典や国語辞典、英和辞典などが遠ざかり始めている。何故なら、バーチャルなネットには、リアル社会にある百科事典を遥かに凌駕する広大無辺なデータベースがあり、そこから欲しい情報を即座に探し出す検索エンジンが存在しているからだ。検索エンジンは今後ますます検索精度を高め、検索対象を増やしていくだろう。その検索エンジンの進化は、未来の子ども達の学習スタイルや知識獲得方法を根本からシフトしてしまうに違いない。知識学習の効率化、情報取得の高速化、膨大なデータベースの自在な活用、それが未来の子ども達の学習スタイルになる可能性を否定するのは難しい情況になっているように感じる。
「ググる」子供と、「ググれない」子供
僕がそう答えると、少々父親の株が上がったりする。
「じゃあお父さん、室町時代に高利貸しとして栄えたのは酒屋と何?」
「何だって? 室町時代の高利貸し?」
「だから、室町時代に栄えたのは酒屋と何?」
「ああ、それは土倉のことだね。質草を保管するために土壁の倉を建てたことから、そう呼ばれるんだよ」
「ところでお父さん、何で質問すると必ず、一度聞き返すの?」と娘。勉強ができない割には、こういうところは頭がいい。
「仕方がない。教えてあげるから、こっちに来なさい」と言って、パソコンの前に娘を座らせる。
「いいかい、一度聞き返しながら時間をかせいでおいて、その間にこのグーグルバーにキーワードを入力するんだ。そうすると……」と言って、ブラウザーに組み込まれたグーグルバーに「室町 高利貸し 酒屋」と入力すると、「酒屋・土倉」というページが見つかる。それをクリックすると瞬時に、土倉が何であるかが分かるという仕掛けだ。十秒間時間が稼げれば、これくらいの検索は朝飯前なのである。
そんな種明かしをして、「後は面倒くさいので、お前が探せ」と言ってやらせてみると、やはりそれは若い世代だけあって、あっという間にグーグル検索がお手の物になる。
21世紀以降の知識学習と情報探索の基本は、以下の文章に集約される……『欲しいと思っている情報に関連するキーワードでググって、Google先生にインターネットから的確で妥当な情報コンテンツの在り処(URL)を教えてもらう』……数学や物理、化学、生物学、情報工学など自分の脳を使って論理的思考や科学的検証をしなければならない理系の学問や芸術的な創作活動を除けば、現代の子どもたちは、学校の先生よりも広汎な知識を持っているGoogle先生を味方につけて自由自在に使役することが出来るのである。
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テーマ : Google関連
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