“リタリン”の不適切処方でクリニックに立入調査!『診察無しの処方箋の郵送』の問題と増え続けるリタリン依存!
“リタリン”の不適切処方でクリニックに立入調査!『診察無しの処方箋の郵送』の問題と増え続けるリタリン依存!
1ヶ月ほど前の記事で、mixi内部でリタリンを密売して捕まったユーザがいるというニュースを紹介しましたが、今度は精神科クリニックでの『診察なしのリタリンの処方箋の郵送』が問題になり東京都の立入検査が行われたようです。医療法違反の疑いで東京都などの立ち入り検査を受けたのは「東京クリニック」(伊澤純院長)という医院らしいのですが、患者の症状や状態を観察せずに患者の要求に応えて『無診察の処方箋郵送』を行っていたというのが、医療法違反に当たると見られています。
伊澤純院長については、過去に女性患者に暴行を働いて傷害罪の有罪判決を受けたなど幾つかの前科も指摘されており、『精神科医の暴行について』の記事に詳細が書かれています。この事件の背景には、医師の医療倫理や資格認定、患者の適正な診療態度の問題も横たわっているようです。
常識的に考えれば、診察・治療せずに薬だけを患者の要求で処方するのであれば、法的に認可される医者やクリニックは必要ないとなるわけで、やはり、『診察無しの処方薬の処方』には問題があるでしょうね。確かに、『副作用の少ない薬』であれば別に医師の診察や処方は要らないのではないかという意見はあり、その意見を取り入れる形で『医薬品の規制緩和』が進んでおり、少しずつ薬局以外のコンビニなどで買える医薬品も増えています。以前であれば、医師の処方箋がなければ手に入らなかった、H2ブロッカー(ガスター)の胃薬とかステロイドの塗り薬とか睡眠導入薬とかが、今では薬局で誰でも簡単に買うことが出来ます。しかし、効果に対する副作用が強い薬品や医師による観察や診断が必要な薬品に関しては、現在でも薬局やコンビニで買うことはできず、薬剤師のみの判断によって販売することも出来ません。
東京クリックが不適切処方をしたリタリン(塩酸メチルフェニデート)というのは依存性の強い向精神薬で、通常は重症のうつ病やADHD(注意欠陥多動性障害)、ナルコレプシー(眠り病)などを適応症として処方される薬です。しかし、リタリンは「精神覚醒剤」に分類されていて違法薬物の覚醒剤(アンフェタミン・メタンフェタミン)と類似した化学構造をもっていることから、安易に疲労回復や気力・意欲増進、集中力強化を目的として飲みたいという人が増えているようです。もちろん、リタリンを医師の診察・処方を受けた人以外が飲むことは違法ですし、正規の病院を介したルート以外で手に入れることも禁止されていますが、何より、リタリンには強い副作用と依存性があるので安易に服用することは危険性が高いですね。
テーマ : うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル : 心と身体