ソニーのプレステの発明対価、知財高裁が『512万円』という判決!
ソニーのプレステの発明対価、知財高裁が『512万円』という判決!
ソニーの家庭用ゲーム機『プレイステーション』などに使用されたソフトの情報を読み取る装置の『発明対価』を巡って、同社元社員の久米英広さん(58)が同社に発明対価の一部として計1億円の支払いを求める訴訟を起こしていました。控訴審判決は19日に知財高裁で出されることになったが、塚原朋一裁判長は発明対価の請求を退けた1審東京地裁判決を覆してソニーに『約512万円』の支払いを命じる判決を出しました。
原告の久米英広さんは昭和49年に入社して平成16年に退社していますが、開発した読み取り装置は平成6年に発売されたプレイステーションや後継のプレイステーション2などにも使われており、久米さんはソニーの売上増加に一定の貢献を果たしたと主張しその対価を求めていました。
日本企業は外資系企業と比べると『発明対価の報酬額』が極めて低いかゼロに近いという問題が以前から指摘されており、企業に雇用されている研究者・開発者の発見は基本的には『企業の功績・利益』に還元される傾向が見られていました。企業の資金で研究環境を整備していることや商品化・実用化のための莫大な投資を企業がしているなどの理由も引き合いにだされますが。
企業に在籍する開発者の発見対価を巡る訴訟としては、『青色発光ダイオード(青色LED)の特許』を巡る中村修二と日亜化学の紛争などもありましたが、日本では基本的に研究者・開発者に対して数千万円~数億円以上の発明対価が企業から支払われることは殆どなく、民事裁判でも巨額の対価支払いの命令が企業に出されることは殆どありません。
今回の知財高裁の判決は発明対価の金額こそ小さいものの、プレイステーションの売上に対する発明の影響力の配分を考えれば、500万円前後の対価はそれほど不当なものではないような気もします。原告は1億円の対価を求めていましたが、これがそのまま裁判で認められる可能性はなかったと考えられますから、原告の言い分を裁判所が認めたことに意義があるように感じました。研究者のモチベーションを『報酬金額』に置くのか『長期雇用保障や研究環境の充実』に置くのかというのは難しい問題ですが、画期的な売上につながる発明に対しては一定のインセンティブを企業が支払うべきではないかとも思います。
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