ロシアが干ばつ・山火事による農作物被害の拡大で『穀物の輸入』を検討か?
ロシアが干ばつ・山火事による農作物被害の拡大で『穀物の輸入』を検討か?
ロシアは干ばつや泥炭火災・山火事による被害などを受けて、小麦の禁輸措置を取っており世界の穀物市場に出回る小麦の量が減っていますが、ロシアを襲っている干ばつの深刻な被害は全く終息の気配を見せていないようです。ロシアの隣国であるウクライナも農作物の不作で、穀物の輸出禁止措置を発動しており、このままだと投資マネーの小麦先物市場への流入などもあって、更に小麦・トウモロコシなどの穀物の価格が高騰する恐れがあるとされています。
ロシアが小麦の輸出を禁止しているというだけでも影響が大きいのに、ロシア農業省は今年から来年にかけて干ばつ被害による農作物の減少をカバーするため、『穀物500万トン以上の輸入』を検討していると報じられています。ロシアは元々、世界第3位の小麦輸出国(昨年)だったのですが、ロシアが大量の小麦輸入に踏み切るということになると、世界の穀物価格高騰が懸念されます。穀物価格が高騰して食糧が入手しづらくなれば、一般国民の生活にも影響がでてきますし、日本など輸入国にとっても『食糧安全保障上の問題』が浮かび上がってきそうですね。
ロシアが輸入すると見られているのは、大麦や小麦、ライ麦などであり、中央アジアにあるカザフスタンからの輸入が予測されています。今年7月から来年6月末までの国内の穀物消費量は約7800万トンと予測されているが、ロシアの穀物生産量がこの消費水準に追いつかない恐れが高まってきたためとしています。自然の天候や異常気象は人間にはコントロールできないので仕方が無い側面がありますが、今年のような猛暑や雨不足が続くと世界的な規模で食糧不足が起こらないかが少し心配になってきます。
特にグローバルな貿易活動において、世界中に食糧(農作物・畜産物)を輸出している中国やロシア、ブラジル、アメリカ、オーストラリアなどで十分な食糧生産ができないというのは、世界的な食糧安全保障上の危機となりますし、穀物・食品の価格が高くなってくると国民生活もそれだけ厳しくなってくるという問題があります。生産コストを考えれば国内自給率を単純に高めれば済むという問題でもなく、日本では米以外はやはり輸入に頼らざるを得ない品目が多いので、世界同時多発的な異常気象や不作などが起こらないことを願いたいところです。
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