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2011.10.2207:37

リビアのカダフィ大佐がシルトで死亡。新生リビアの体制づくりは部族間対立のリスクや憲法制定議会開催など前途多難!

リビアのカダフィ大佐がシルトで死亡。新生リビアの体制づくりは前途多難!

チュニジアに『ジャスミン革命』が起こってベンアリ大統領が追放され、エジプトに『エジプト革命』が起こってムバラク大統領が放逐されましたが、これらの『アラブの春』と呼ばれる民主化の運動・現象が遂にリビアのカダフィ体制を名実共に瓦解させました。アフリカ北部でムバラクと並ぶ42年間の長期独裁を敷いていたムアンマル・カダフィ(69)は、反アメリカ・反ヨーロッパの政治思想を掲げる過激な独裁者で、『アラブの狂犬・アフリカの王の中の王』と呼ばれて恐れられていたのですが、その最期は極めてあっけないものでした。

リビアにおける民主化革命は、無血革命であるチュニジアやエジプトと比較すると、カダフィ派と反カダフィ派に分かれて戦う『本格的な内戦』の様相を呈して、膨大な犠牲者・死傷者を出しましたが、カダフィ大佐は19歳の青年兵の銃弾で絶命したと報じられています。『ジャマーヒーリヤ』というイスラム社会主義体制(形式的な共和主義体制)における絶対的な権力者であったカダフィ大佐が死亡したことで、カダフィの旧体制は完全に崩壊することになりました。カダフィ大佐が反カダフィ派の部隊に拘束されて銃殺される時の状況が、携帯電話のビデオ(動画)で録画されており、両足を怪我して血まみれになっているカダフィが引きずり回されて、撃たれる様子が全世界に報道されショックを与えました。

戦場であっても『無抵抗の捕虜』を現場の判断だけで処刑するのは、『裁判を受ける権利』『生存権の人権』を不当に侵害するものであり、明確な国際法違反(戦時国際法のジュネーブ条約に対する違反)ですが、リビア内戦のような混乱した情勢下では法律が守ってくれるとは限らないという現実があります。カダフィの拘束は、北大西洋条約機構(NATO)の空軍部隊が、シルト付近を走行中のカダフィ派の軍用車を空襲したことから始まり、カダフィはその軍用車列の一台に乗り込んでいたという説もあります。カダフィは排水溝に使われていた穴の中に隠れていたところを、反カダフィ派兵士に発見されて引きずり出され、国民評議会の拠点まで護送しようとしていた途中で、暴走した19歳の青年兵士により銃殺されたと報じられています。

発見された当初のカダフィ大佐は『何が起こっているんだ?何をするつもりだ?』と周囲に質問を発したものの、反カダフィ派の集団に取り囲まれて拘束され殴る蹴るの暴行を受けて連行されましたが、連行されている途中でずっと『撃つな!撃つな!』と命乞いをするような言葉を発している場面が録画されていました。カダフィが潜伏していた穴の中には、実戦向きとは思えない豪華な造りの黄金の拳銃2丁が残されていたといいますが、これは『大佐』という軍人アイデンティティを近年まで持っていたカダフィのプライドの現れだったのかもしれません。自分に逆らう民兵を『ネズミ』として侮蔑して抹殺を命じていましたが、カダフィ自身が排水溝に身を隠す『ネズミ』のような落ちぶれた姿となり、その組織末端の民兵から小突かれて殺害されたのはシニカルな政治的悲劇でもありますが。

大佐は空爆により初めから両足などに被弾して傷ついていたようですが、拘束されて暴行を受けたことで更に弱っている状態にあるように見えましたが、『専制的・弾圧的な独裁者の最期』はイラクのフセイン大統領にしてもルーマニアのチャウシェスク大統領にしても悲惨な末路が多いですね。それだけ民衆の自由や権利を強権で押さえつけて虐待していた事の反証でもあるわけですが、あれだけラディカルな思想を語って攻撃的な姿勢を見せ付けていたカダフィ大佐も、拘束された時には弱々しいただの初老の人物にしか見えませんでした。

カダフィ大佐死亡の報告がリビア国内に伝わると、次々に『真の自由がもたらされた・神は偉大なり・独裁者はいなくなった』という歓喜の声が沸きあがり、上空に向かって祝砲が次々に撃たれました。カダフィ大佐は『緑の書』という社会主義的な政治思想の書籍を書いて、直接民主主義・人民代表制を掲げるジャマーヒーリヤ体制を構築しましたが、この体制の実質は『カダフィが全てを決める個人独裁』だったので、カダフィの死後の新生リビアの政治体制づくりは前途多難なものとなりそうです。なぜなら、リビアには憲法も議会もなく、国民に選ばれた議員も存在せず、刑法体系や慣習規範が全てカダフィ独裁に都合の良いものとして作られていたからで、『民主国家』をここから建設するには、まさにゼロからの手作りで法律や議会を作っていかなければならないからです。

反カダフィ勢力として各部族が結集・団結している『国民評議会』ですが、共通の敵であるムアンマル・カダフィが死亡したことにより、政治体制や代表者、利害関係、石油利権、対欧米外交を巡って『内部対立』が起こるかもしれないという懸念も出ています。新生リビアがどのように民主的な政治体制を構築していくのか、パレスチナ問題や欧米外交に対してどのような基本姿勢を取るのかは不透明な状況ですが、早期に内戦を終結させてリビア国民の権利と幸福に貢献する新たな政府が樹立することを願っています。

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ジャンル : 政治・経済

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