新司法試験の合格者、就職難に!司法修習後の弁護士未登録者が増加!
新司法試験の合格者、就職難に!司法修習後の弁護士未登録者が増加!
法科大学院を修了することで司法試験の受験資格を得られるという『新司法試験』が施行されてから4年余りが経ちますが、最難関試験として知られる司法試験の合格者にも就職難の波が押し寄せているようです。昔からこの資格さえ取得すれば一生仕事・お金には困らないと言われていた難関資格には『医師国家試験・司法試験・公認会計士試験』がありますが、以前から公認会計士も人材過剰が指摘されて監査法人への就職が難しくなっていると伝えられています。
将来不安や雇用悪化の影響を受けて、元々勉強が得意だった人がスクール(専門学校)に通って難関資格の取得を目指す比率が増えており、『資格人気・資格バブル』が高まっていますが、難関資格を必要とする業務独占の職業であっても『市場に必要な専門家の人材の数』には限界があるため、公認会計士に続いて弁護士も人余りの問題が生じてきているのかもしれません。法科大学院創設の時期にはアメリカ型の訴訟社会の実現を目指すとか、国民に身近な法曹家を増やして国民の権利を守りやすくするとかいう『大義名分』が掲げられましたが、実質的には日本の一般国民の訴訟ニーズはそこまで高まっていない現状もあります。
医師免許だけは医学部そのものの入試の難易度が高く、高齢化社会・長寿社会・技術革新で『医療のニーズ』や『先進医療の技術水準』が高まり続けているために、今後も公的健康保険にまつわる財政上のリスクを除けば、『医師が就職に困る事態』というのは当分生まれそうにはないですが…。しかし、『法曹人口の増大(毎年三千人規模の合格者輩出)』を目指すとした新司法試験の体制でも、今年の合格率は過去最低の23.5%になっており、合格者数は2063人に留まっています。
司法試験に合格して司法修習生になると更に卒業試験があるのですが、その卒業試験に合格して規程の修習を終えると晴れて法曹の一員になることができます。法曹のキャリアは概ね『裁判官・検察官の公務員』になる人と『民間の弁護士』になる人とで分かれていきますが、大半の人は募集人数が決められている公務員としての法曹ではなく、民間の弁護士になります。弁護士として活動する場合には、全国52の弁護士会のどれか一つと日弁連への登録が義務づけられていて、毎年修習終了直後に一斉に登録するのですが、今年は約2割の人が就職先が決まらない(会費を支払う余裕がない)などの理由で未登録となっているようです。
司法試験合格後の進路は、卒業試験に合格した1991人のうちで70人が検察官に採用され、100人前後が裁判官に採用されますが、それ以外は弁護士として働くことになります。今月15日に弁護士登録したのは1423人であり、21.9%にあたる400人が未登録になっているということで、司法の世界にも就職難が起こっており弁護士資格を取れば安泰という状況では既になくなっているようです。
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