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2006.07.2821:01

キヤノンが「EOS」シリーズでデジタル一眼レフ・カメラの市場を制し、営業利益が32.6%の大幅増加!スク・エニもゲーム事業の黒字転換に成功!

4~6月期の決算が各企業で出てきていますが、日本のIT関連企業の成長はやや鈍化している観があるものの、電機・機械・鉄鋼・自動車など製造業とメガバンクをはじめとする金融業界の業績回復は目覚しいものがあります。マクロな規模でのデフレ不況はほぼ脱却できたと見てよいと思いますが、景気回復と給与上昇を喜ぶ人たちがいる一方で、大企業と中小零細企業の給与待遇格差が非常に大きくなっているという問題もあります。

日本の国家財政が悪化の一途を辿っていて、国債・公債など国の借金が雪だるま式に増大していることも将来の大きな不安要因となっていますが、大手企業の業績が本格的な回復軌道に乗ったことで、法人税などの税収増加が見込めるのではないかと思います。

4~6月期の決算に関する記事でまず目立ったのは、「キヤノンの大幅な増収増益」ですね。キヤノンは事務用品と高性能カメラ(光学機器)、IT周辺機器を中心とする製造業の会社ですが、日本だけでなくアメリカやヨーロッパ各国でも大きなマーケットを持っている多国籍企業です。僕は、キヤノンの営業利益のかなりの部分が、企業相手に事務用品やプリンタなどを売るB to Bのビジネスにあるのかなと思っていましたが、今回の四半期の利益拡大の原動力は、顧客に商品を売って利益を上げるB to C(Business to Consumer)のビジネスにあったようです。

キヤノン、全製品部門・全地域で増収

キヤノンの2006年4月~6月期は好調だった直前四半期からなお勢いを増す好決算となった。売上高は対前年同期比12.8%増の1兆289億8300万円、営業利益は同32.6%増の1683億4200万円で、いずれも直前四半期を上回る成長率を記録した。事務機、カメラ、光学機器の3事業全てで増収、地域別にみても日本、米国、欧州、その他の全てで増収となっている。

特に、他社の製品との差別化・ブランディングに成功したキヤノンの高級デジタルカメラの売上がかなり好調なようです。キヤノンの世界最高水準の光学技術を応用したデジタル一眼レフ・カメラ「EOS Kiss Digital N」「EOS 30D」といった商品は、日本でも本格的な解像度の高い精細な写真を撮りたいという人たちに高い評価を得ていますね。当然、キヤノンは世界各地で事業展開していますから、日本だけでなく世界でも強い人気を得ていて大きな営業売上に繋がっています。

キヤノンは全ての製品部門と全ての活動地域で増収増益を果たしたということなので、カメラ製品部門だけでなくプリンタ(PIXUSなどプリンタ複合機)や事務用品の部門でも大きな営業利益を上げているのでしょうが、売上高が1兆円の大台を超えていることと営業利益の対前年比の成長率が32.6%にも上るのは驚異的ですね。

決算の数値だけ見ると、単純に売上高が上がっているだけでなく、コスト削減のための企業体質の改善が進んでいることや利益率の大幅な向上を感じさせられます。キヤノンの工場に勤務する従業員の給与や待遇といった部分でも、何らかの改革や変化が起こっているのかもしれませんが、デジカメやプリンタ、事務用品といったものの国際的な需要は相当に大きいなと改めて思わされました。

最近はデジカメを扱う機会が余りなくなったのですが、キヤノンの事業収益の柱であるデジタル一眼レフ・カメラの商品分野では、やはりSONYやPanasonic、ペンタックスといったメーカーよりも高級感や機能性の部分でキヤノンのブランドイメージは良いですね。キヤノンは、どちらかというと、旅行の時だけカメラを使うというようなアマチュアの写真愛好家よりも毎日頻繁に写真を撮って生活しているプロフェッショナルに近い人たちが好んで買うカメラメーカーというイメージがあります。

プロフェッショナル仕様を意識した高機能で高画質な一眼レフのデジカメほど、お値段も10万以上するような高価格機が多いのですが、写真の画質の違いは素人が見ても一目瞭然なのは言うまでもありません。ただ、インターネットへ高画質の写真をアップする場合には、余りに画質の良い大きな写真を圧縮なしでアップすると、ダウンロードに結構時間がかかってしまう問題があります。高価格機のカメラの性能をフルに発揮した容量の大きな写真(高解像度の美しさを追求した写真)の場合は、ネットよりもローカルで鑑賞するほうが向いているでしょうね。

比較的価格の安いコンパクト機のデジカメでは、キヤノンが絶対優位なわけではなく、Panasonicの「LUMIX」や富士フィルムの「FinePix」なども健闘しているのではないかと思いますが……それでもやっぱりキヤノンの「IXY」のほうが圧倒的に売れてるのかもしれないな……。安い価格帯のデジカメの場合には、カメラの機能や写真の画質よりもカメラのデザイン性やCMの好感度などが重要になってくると思うので、キヤノン以外のデジカメメーカーにも奮闘して欲しいところです。実力が同等の企業同士の競争が少ない独占市場になると、良質な商品の開発や魅力的な製品の工夫が生まれにくくなるので、キヤノンとソニー、Panasonic、富士フィルム、オリンパス、ペンタックスなどが切磋琢磨して鎬を削るようなデジカメ市場の活性化を期待したいと思います。

とはいえ、他の企業もほとんどが業績を上げているようなので、全体的なカメラ市場は活況を呈しているのかもしれません。ニコンもデジタル一眼レフ・カメラ分野の営業売上を順調に伸ばしているようで、大企業中心に景気が大きく改善したというだけあって、余裕のある写真愛好家は、コンパクト機ではなく美しいプロ並の写真が撮れるデジタル一眼レフ・カメラのほうを選んでいるのでしょうか。電機量販店のデジカメコーナーでも、意外に高価格の高性能カメラのラインナップが充実している感じがあるので、かなり売れ筋の商品になっているのかもしれません。

ゲーム業界の決算では、ソフトウェア業界で王道を突き進んでいるスクウェア・エニックス(スク・エニ)が、ドラゴンクエスト」シリーズなど人気タイトルの発売とオンラインゲームの人気によって、ゲーム事業が黒字転換しています。スク・エニは去年まで主要事業のゲーム分野で思うような売上が上がらず苦戦していましたが、今年上半期はなかなか好調な滑り出しとなり、現四半期では営業利益が前年同期比629.9%増の27億1700万円となっています。しかし、ゲーム業界というのは利益率が余り高くないようで、営業売上が大きくても赤字を出すケースが多くあるのが不安材料ですね。

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