亀田興毅の世界戦と利権が絡む商品としてのプロ格闘技!HERO'Sの試合で脳へのダメージが心配な桜庭和志がMRI検査?!
■亀田陣営とTBSは疑惑判定へのクレームを気にせず、興毅は練習再開。大毅は20日に試合を予定。
亀田興毅とランダエタ戦のライトフライ級タイトルマッチの余韻が冷めやらず、TBSの商業主義を前面に出したスポーツ報道の姿勢への抗議も続いているようですが、亀田興毅陣営は周囲の批判やクレームには余り関心を向けていないようで、年末の防衛戦(あるいはタイトル返上して違う階級のタイトルマッチ)に向けてハードな練習を再開したようです。
ランダエタ選手が優勢だったのに何故、亀田興毅が判定勝ちなのか納得できないという視聴者の意見も分かりますし、過去の疑惑判定にこだわって落ち込んでいてもどうしようもないという亀田陣営(特に父親の亀田史郎)の考え方も分かります。ただ僕が注意すべきだと思うのは、ボクシングに限らずプロスポーツの分野では、ショーやエンターテイメントの要素が強くなりすぎている傾向があるということです。
また、テレビ局やスポンサー企業の関係で利権構造が複雑になりすぎていて、今回の亀田興毅選手のように『勝利することによって莫大な利益を上げることができる』という状況での判定には疑惑や不信が起きやすいということでしょうね。テレビ局TBS・スポンサー企業・外部のステークホルダー・亀田陣営の複雑な利害関係が入り乱れた世界タイトルマッチでしたが、とりあえずWBAが認定した試合なのでその判定の結果が覆ることは考えられません。
多くの疑惑や臆測はありますが、この結果は結果として、次の試合で亀田興毅の対戦相手に誰が選ばれてどんな試合を見せてくれるのかに注目したいと思います。ちなみに、弟の大毅の試合は、8月20日にあるそうですが、今の世間の厳しい反応を見ると、勝った後にいつも見せる歌唱パフォーマンスはしにくくなるのではないかと思います。
それにしても、先日放送されていた、父親の亀田史郎とやくみつるがワイドショーで交わした激しい批判のバトル(判定疑惑とか言葉遣いの良否とかショー的な挑発が良いか悪いかとか)もまた、テレビ的なエンターテイメントであることには変わりはないわけで、テレビを通した映像から事実や正義を見抜くことを期待するほうが間違っているという意見も一理ありますね。
■PRIDEからHERO'Sへ移行した桜庭和志が連打を受け脳器官にダメージ?!
同じTBSで放送された格闘技番組では、フジテレビとの放送契約を打ち切られたPRIDEからHERO'Sへ移籍した桜庭和志のデビュー戦が行われました。この試合は、初め桜庭がかなり激しく殴られ続けて失神寸前まで追い込まれながら、最後に逆転して勝つという展開になりました。桜庭和志の相手は、総合格闘技の世界では様々なタイトルを獲得しているリトアニアのケスタティス・スミルノヴァス(30)だったのですが、観戦していて『こんなに激しいパンチをガードもせずに連続で何十発も受けて大丈夫なのかな?何でレフェリーは止めに入らないのか』と思わせられる試合でした。
桜庭和志自身も試合後に、『ほとんど意識がないままに本能で戦っていた』というような発言をしてましたが、壮絶な乱打戦というよりも、一方的に気絶寸前まで殴られ続けてそれに耐えて逆転したというかなり異常な試合内容でした。相手のスミルノヴァスが殴って、桜庭がそれに応えて殴り返すというような展開ではなく、桜庭がラウンドに倒されて丸まった状態で一方的に顔面や後頭部を強く攻撃され続けるという一方的展開だったわけで、観客や解説者も内心ではストップをかけないレフェリーに不信を持ったと思います。
桜庭:脳にダメージ、7日に再検査開始1分すぎに連打を浴びてKO寸前になった桜庭は試合後、神奈川県内の病院に直行。CTスキャンで検査を受け、骨折はなく、異常なしの診断を受けた。この日午前に退院したが、7日に再度、MRI検査を受けることになった。桜庭はこの日の一夜明け会見を欠席した。
≪ 誤審問題で対策 審議委員設置へ≫谷川EPはレフェリー以外に試合を判断する審議委員を置く方針を明かした。桜庭戦でのレフェリーストップが遅くなったことに加え、5日の秋山-金泰泳戦ではミスジャッジで、秋山の一本勝ちが試合後に判定勝ちに変更される混乱があった。「K-1では角田競技統括プロデューサーら試合を判断できる人がいるが、HERO’Sにはいない」と説明した。
如何に打たれ強いと言われる桜庭和志選手であっても、プロの格闘家の拳をガードなしで顔面や後頭部に受け続ければ脳にダメージを受けないはずはないので、その点が心配でしたがニュース報道ではやはり脳器官の異常がないかどうかCTスキャンとMRI(核磁気共鳴画像診断法)の精密検査を受けたということでした。
元格闘王といわれたHERO'Sのスーパーヴァイザー前田日明も今回の試合展開やレフェリーの判断に対して、「選手の生命に危険をもたらすもので認めることが出来ない」と語っていましたが、飽くまで選手の生命の安全を第一にしたジャッジをレフェリーは心がけないといけないと思います。
勝ち負けよりも生きるか死ぬかのほうがやはり大切なことは言うまでも無いことで、余りにワンサイドな試合展開で身体へのダメージが大きいと感じたらストップすべきでしょうね。こういった前田日明氏の指摘などもあって、HERO'Sの試合のジャッジや判断のシステムが若干改善されて、レフェリー以外にも試合をストップできる判断を行える判定員を置く変更があるようですが。
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