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2006.11.2220:08

『池内ひろ美の考察の日々』の“期間工の記事”に見る職業アイデンティティと格差意識に基づく批判の問題:1

『炎上池内ひろ美ブログ 反論でさらにネット上騒然』という記事を読んで、現代社会における職業アイデンティティと他者を批判する事の問題について色々と考えました。

夫婦・家族問題評論家(コンサルタント)の池内ひろ美氏が書いたブログの元記事では、居酒屋で偶然話しかけてきた30代前後の男性(4名)とのコミュニケーションが再現され、彼らがトヨタの期間工として働いていること、池内氏とその友人の職業が評論家・医師・会社経営者であることが明らかにされ、4名の男性に対する批判へと続いていきます。

『向上心がなくて勉強もせず、平日の早い時間から連日飲んでいる男の子』というのが批判の骨子ですが、その批判が期間工という職業アイデンティティに対して為された『職業差別的な発言』であると解釈されたことが原因でブログが炎上することになったようです。

人間は年齢を問わず、『私は何者であるのか?』というアイデンティティを確立すべく思考し行動している部分があります。アイデンティティ(自己同一性)は、「社会的アイデンティティ」「実存的アイデンティティ(他者と切り離された唯一無二の自己の連続性・一貫性のアイデンティティ)」に大きく分けることができます。

社会的アイデンティティとは、社会環境における自己の役割意識や存在意義に関わるもので、就業年齢になると『期間工としての私・医師(専門家)としての私・会社員(公務員)としての私』といった職業アイデンティティや社会的な責任感が中心的なものとなります。

『夫(妻)としての私・父親(母親)としての私・子(孫)としての私・誰々の友人としての私』といった他者との関係性によって指示される社会的アイデンティティもあるが、一般的に、社会的アイデンティティは、『相対的な格差感を伴うイメージ(ステータス性・経済力・影響力・信頼感)』と無縁ではいられないものです。

実存的アイデンティティとは、端的に言えば『私は私以外の人生を生きることが出来ない』という自己と人生の固有性にまつわるアイデンティティであり、自己の知能・教養・人格・コミュニケーションスキルなど自分自身に備わっている特性や機能のようなものによって意識されることもあります。

学校を卒業した成人期以降の社会的アイデンティティの中心は『職業アイデンティティ』ですが、何故、大多数の人にとって職業アイデンティティが大きな位置づけになるのかといえば、それが『生計手段・社会的役割・対人評価・社会的影響力・自尊心』と直接的に結びついているケースが少なくないからです。

ニートやフリーターという社会的位置づけに対する風当たりの強さや倫理的な批判も、上記の要素と密接に結びついています。家族でもない直接の利害関係を持たない第三者が、ニートやフリーターを非難する場合にはニートやフリーターの将来の経済的困窮を親身になって心配しているわけでは恐らくないでしょう。生産と消費の割合が小さいニートが国家財政(景気情勢)にマイナスの経済効果を与えることで、将来、間接的な経済的損失を自分が受けるのではないかと懸念している部分が大きいと推測されます。

潜在的にではありますが、他者(納税者)や国家(社会保障制度)に小さくない経済的損失を与える可能性を持っているという意味で、ニートの社会的アイデンティティは基本的に高く評価されることはないでしょう。フリーターは厚生年金(共済年金)などの将来の保障がないという経済的不安を抱えていて、社会的影響力(政治的な発言力)が相対的に小さいという意味で社会的弱者というイメージが絶えずつきまといます。

少なくとも、フリーターやニートが、一部上場企業の社員や中央官庁の官僚、医療や法務の専門家よりも経済的に豊かで政治的に優位であるという『現実状況から乖離したイメージ(先入観)』を持っている人はまずいません。

『職業(仕事)に貴賎はない』という人権思想を踏まえた倫理的次元の真理を確認することは大切なことですが、社会構成員の大部分は『社会的属性(職業・地位・役割)に付随する各種のイメージと慣習的振る舞い(偏見・先入観・損得勘定)』からなかなか自由になることは出来ないのが現実です。

特に、『利害関係を伴う社会的文脈(コンテクスト)』に置かれた場合には、ほぼ全ての人が『社会的属性の持つイメージ(社会的影響力)』に従った行動や役割を取ることで、自分の社会的アイデンティティに絡んだ利益や評価を確保しようとするでしょう。

この記事の続き: 『池内ひろ美の考察の日々』の“期間工の記事”に見る職業アイデンティティと格差意識に基づく批判の問題:2

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ジャンル : 政治・経済

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