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2006.12.3105:35

異例の早さでイラクのサダム・フセイン元大統領の死刑執行!アメリカ主導(ユダヤ支援)の世界秩序に挑戦する中東の政治と宗教!

イラクの元大統領であり圧政を敷いた独裁者であったサダム・フセインが異例の早さで死刑に処されましたね。先月5日に一審にあたる高等法廷で死刑判決を受けて、今月26日に控訴院が判決を支持したことで死刑が確定しましたが、曲りなりにも国家元首であった人物が、判決から僅か4日で死刑を実施されるというのは珍しいというか歴史に残る事例となりますね。新生イラクの法廷で下された判決なので、アメリカ側のなんらかの政略的な意向もあったのでしょうが、余りに執行が速すぎると余計に裁判の公正性というか正統性に猜疑心が湧きますね……。

戦勝国が敗戦国の指導者を裁くことの是非については色々な見解があり、軽々に良いとも悪いともいえないのでしょうし、近代国家や国際法が成立する以前の中世なんかでは問答無用で処刑されていたのでしょうが、現代においてこういった形の国家元首(独裁君主)に対する裁判がどういった歴史的意味合いを持つのかは難しい問題だなと改めて思います。

サダム・フセインに死刑が宣告された罪名は、「人道に対する罪」という敗戦国の政治的指導者に科されやすい罪名ですが、フセインの場合は多くの虐殺や弾圧を指令したことが明らかなので一応この点に関しては弁明の余地はないでしょうね。直接の犯罪行為としては、1982年にイラク中部のドゥジャイル村のクルド人148人を殺した事件が上げられています。基本的に、イラク戦争で敗戦した時点でフセインが生き残れる可能性はなかったと思われますから、具体的な事件や犯罪によって量刑が確定したというよりも、軍事力を背景にしてアラブ主義的な独裁政治を行いイラク国民を虐待していたフセインの統治自体が「人道に対する罪」であるということなのでしょう。

フセイン元大統領の死刑執行

イラク国営テレビは「サダムが死刑になったことで、イラクの暗い時代が終わりを告げる」とのテロップを出しながら速報。一方で、米軍やイラク治安部隊は、死刑執行に反発するテロなどに対して高い警戒状態にあるとともに、米国務省はすべての在外大使館に警戒を強めるよう促した。

イラク支援にかかわるボランティア、高遠菜穂子さんは「一般のイラク人は自分の日々の暮らしで精一杯のはずで、それほどの騒ぎにはなっていないだろう」とした上で、「判決が出てから処刑までが早すぎたと思う。この時期、日本が正月気分で盛り上がるように、イラクでも“犠牲祭(イード)”といわれる祭りがある。こうしたムードの最中になぜ処刑を執行したのか」と疑問を呈した。

問題は、戦後処理の重要な政略としてこの国家元首の処刑が位置づけられていることですが、イラク国民がこの独裁者の死をどのように受け止めるのかによってイラク情勢の今後が占われる部分もあります。多くの識者は、フセインの死によって中東情勢やイラクの国民感情が変化することはないと見ているようですが、フセインの独裁政治を支持していた一部の軍事勢力が遺恨と抵抗を強めるのではないかとの見方もあるようです。以下に、アメリカの対テロ戦争の一環として行われたアフガン戦争とイラク戦争を簡単に概括しておこうかと思います。

アメリカ経済の中枢部であるニューヨークのWTCを襲った“9.11テロ”から始まったアメリカの「対テロ戦争」ですが、アルカイダに潜伏拠点を与えて保護したことを口実にして開戦したアフガニスタン戦争ではイスラーム原理主義のタリバン政権が打倒されました。そして、2003年に始められたアメリカとイギリスの有志連合によるイラク戦争では、バース党を率いる独裁者としてイラクに長年君臨していたサダム・フセインが政権から引き摺り下ろされアメリカの捕虜(戦犯)となりました。

ウダイとクサイというサダム・フセインの息子二人もイラク戦争の最中で命を落とすことになりましたが、とりあえず国家対国家のイラク戦争自体は、アメリカ有志連合の圧倒的勝利という形で比較的短期に終わりました。しかし、世界の軍事的な最強国家であるアメリカも、イスラーム信仰とナショナリズムの独立心が台頭するイラク国民を安定的に統治することに失敗し、近々、アメリカ軍が全面的にイラクから撤退するとも言われています。

イラク内部では、既に複数の宗教宗派が対立して収拾が付かない状況になっており、地方を占拠している軍閥やテロリストによって極めて危険な治安状況になっています。アメリカ軍兵士の死傷者数も増える一方なので、アメリカは戦争に勝利して統治(アメリカ寄りの民主化・自由化によるイラク再生)に失敗したと言われても仕方ない情勢に追い込まれており、来るべき来年の大統領選挙では民主党の圧倒的有利が伝えられています。

アメリカ世論でも「イラク戦争は失敗だった=アメリカの国益や世界の平和維持に役立っていない」と評価する人が増えており、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官などのネオコンが大いに辣腕を振るったブッシュ政権の歴史的評価は厳しいものになりそうです。父親のシニア・ブッシュと息子のジュニア・ブッシュは、徹底して中東地域に対する強行的な軍事外交を展開しましたが、イラクの内戦の悲惨な情況悪化以外にも、パレスチナ問題やイランの核開発問題など多くの課題と遺恨を残したまま政権の座を去ることになりそうです。

戦争を好んで行う政治的指導者が民衆から愛されないのは当然のことですが、フセインがイラクの大多数の民衆から見捨てられたのと同様に、多くのアメリカ人の犠牲者を出した結果、中東の安定化に失敗したブッシュ政権も民衆から愛想を尽かされつつあります。日米安保を堅持することで国家安全保障を実現している日本政府(自公連立政権)は、「イラク戦争は間違っていた」とは今後も公に主張することは出来ないでしょうが……中東(イラン・イラク・パレスチナ・イスラエル)の紛争史の推移を後になって大局的に振り返った場合に、小泉政権のアメリカ追随外交が低く評価される可能性はあるでしょう。

まぁ、野党は国政に直接の外交責任を負わない野党であるからアメリカ追随外交を手厳しく糾弾できますが、もし自分達が与党であったら恐らく現在の自民党と同じように対テロ戦争(憶測による大量破壊兵器非難)に賛同していた恐れが高いと思います。あのヒステリックな反テロ・反独裁の状況下でブッシュ大統領に「旗幟を鮮明にせよ」というメッセージを送られて、「我々日本国は協力できません」と明言できる首相はいないし、そういった反アメリカを全面に出せば日本は大きな防衛上の国益を失います。近隣の大国である中国と安全保障上のパートナーシップが組めない以上、日本は安全保障の大部分をアメリカとの軍事同盟である日米安保条約に依存せざるを得ないからです。

イラクを強権的に支配したサダム・フセインは、かつて、アラブ民族を大同団結する大アラブ主義を掲げて絶大な支持を得たエジプトのナセル大統領のような政治のあり方を目指していたようですが、イラクの民衆側もまた、アメリカやヨーロッパといった先進国に対抗できる強力な政治指導者を求めていたという構図があるようです。フセインは自分を、古代バビロニアの隆盛を担ったネブカドネザル王やイスラーム帝国の歴史的英雄サラディンになぞらえていたようですが、彼の構想していたイスラーム圏(アラブ圏)の巨大帝国は実現することはなかったし、それは日本や欧米にとっては幸運なことでもあったのでしょう。ただ、独裁者による大帝国が存在しなくても、反ユダヤ感情や反欧米感情は今でも根強く中東のアラブ圏に残っており、アメリカ主導の世界覇権に挑戦するイスラム原理主義の台頭も気になるところです。

最後にフセイン処刑後にイラクで懸念されている事態について言えば、フセイン政権で優遇されてきたスンニ派の報復攻撃と、フセインを支持していたパレスチナやヨルダン人の反米感情・反新イラク政府感情の高まりがあるようです。

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