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2007.02.1220:33

PHSで携帯市場に挑戦するWILLCOMの事業戦略とは?!3G携帯で高機能化しすぎた日本製の携帯端末!

PHSユーザが大幅に減少した携帯電話全盛の時代に、PHSのキャリアとして唯一好業績を上げ続けているのが、スマートフォンのW-ZERO3を展開しているウィルコム(willcom)です。ウィルコムが衰退産業であるPHS市場で一人勝ちして、携帯電話に負けずに生き残っている理由として、『ユニークな機能と格安なサービスを提供し続けたこと』があります。他のPHSのキャリアが、携帯に押されて利益を上げられずに次々と市場から脱落していく中で、ウィルコムだけが新規の顧客を獲得し続けましたが、その背景には並々ならぬ経営努力と斬新なアイデアの実現がありました。

現在では、ソフトバンクモバイルが『ソフトバンク同士の通話料0円』を時間帯を限定して実施していますが、ウィルコムは2005年から完全な通話料の定額制(2900円)を実現していました。携帯電話同士の通話料は結構高いので、日常的に長電話する人にとって、PHSであっても2900円で話し放題になるというのは魅力的なプランでした。実際、ウィルコムの大きな転機は「通話料とEメールの定額制導入」にあったようで、2005年から急速にユーザ数を伸ばし知名度もそれなりに高くなりました。そして、PHSの高速データ通信とノートパソコンに近いUI(ユーザインタフェース)を組み合わせた高機能なスマートフォン『W-ZERO3』を開発して、PHS市場を再び活性化させたのは記憶に新しいところです。

ウィルコムの副社長である近義起氏は、「存在感を示すには、ユニークなことを考えなければならない。そのためには、なるべく数多くの異業種の人たちといっしょにやっていくことが大事」と語っていますが、定額制の料金プランといい電話とパソコンを融合したようなスマートフォンの開発といい、ウィルコムはユニークさを顕示することで成長軌道に乗せた部分がありますね。PHSの市場は、NTTドコモ・au・ソフトバンクの競争が厳しくなってきた携帯市場と比べると、競争の圧力は殆どないのですが、その代わり「はじめからPHSは買わないと決めているユーザ」をどれだけ多くPHSに流し込めるかという難しい課題を抱えています。いずれにしても、営業利益を上げる為には、既に飽和状態にある携帯市場からユーザをPHS市場に移し変えていく戦略が必要なわけです。

ウィルコムの加入者数は2006年12月末で、約436万となり過去最高のユーザ数を得ていますが、副社長の近義起氏はまだまだ現状に満足していないようです。インタビューに答えて「我々が(携帯電話もあわせた全体の)市場に占めるシェアはわずか4、5%程度だ。小さな勢力の者は、ユニークなことをしなければ勝ち残っていけない。ユニークなことを仕掛けるには、さまざまな業界の人々と話し合ったほうがよい。いまの携帯電話の産業のなかで、ユニークなことをしようとすると、1モデルで 100万台くらい売ろうといった水準の話になり、多額の投資を要する。それに対抗しようとすれば、同じことをしても無理だ。多くの業界と接して、新しい血を入れようと考えた。その一つの結果がコアモジュールだった」というメッセージを残しています。

現在、携帯電話もPHSも音声通話やメール送受信に加えて、ウェブに接続する『モバイル機能』が重要視されるようになっており、ブラウジング(閲覧)だけでなくゲームや着うた、コミュニティなど『魅力的なウェブコンテンツ』の需要が大きく伸びてきています。NTTドコモもauもソフトバンクも、自社の公式コンテンツの中に何とかユーザを囲い込んで、外のウェブサイトに行く前に公式コンテンツ(ゲーム・着メロ・着うた)にお金を落とさせようとしています。

しかし、モバイル検索にGoogleやYahoo!が参入してきたことで、モバイルユーザのアクセスが大きく変化してきており、かつてのようにキャリアが準備した公式サイトしか見ない人は大幅に減少しました。つまり、『勝手サイト』と呼ばれている通常のインターネットのサイトやサービスにユーザが飛び出すようになっていて、モバゲータウンに代表される大規模なモバイルコミュニティやmixiのようなSNSにユーザが吸収されていっています。ただ、注意しなければならないのは、ここまで携帯電話の『高機能化・パソコン化・マルチメディア化』が進んでいるのは日本だけであり、高機能なモバイル接続機能が必須なのは日本の特殊事情だということです。

世界の携帯端末市場を見た場合、フィンランドのノキアが33.5%で首位、その次にアメリカのモトローラ社が18.8%、そして、三位に韓国のサムスン電子が12.9%です。日本の端末メーカーは10社全てを合わせても、世界シェア3位のサムスン電子に及ばないわけですが、それはなぜかというと日本の端末メーカーは日本のハイエンドユーザに特化した3G携帯ばかりを製造しているからです。経済が発展していないアジアや中東の国々では、3G携帯は非常に高価であるだけでなく、モバイル接続しても利用できるコンテンツが殆どありませんから需要もほとんどないといわれます。

ユニークでなければ、勝ち残れない - ウィルコム 近義起副社長

「競合」である携帯電話については次のようにみている。「いまや、GSM(Global System for Mobile Communications)規格の端末が最も普及し、10億台以上が出回っている。世界中には、電話をみたこともない層が少なからずいる。市場で売られている端末は、単に通話ができるというようなものが実は多い。3G(第3世代)の携帯電話ばかりというような国は異常ともいえる。本来は、使いやすいことが基盤であり、ショートメッセージのメールが使えて、ディスプレイ画面は白黒の、コストの低い端末が一番多く売れている。ノキア、サムスンなど、世界市場で有力なメーカーも、そういうところから高い収益を上げている」

「一方、日本では、高速化、マルチメディア、あれもこれもと、高機能化が進んでいる。海外と日本で、一つ共通点があるとすれば、よりいっそう電波が端末に『染み込み』やすくしようという点あたりだろうか。そうすれば、基地局の数は減らすことができる。われわれのW-OAM(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)規格は、内外どちらのニーズにもマッチしているので、日本だけでなく、海外でもよく使われるようになるのではないかと思っている。日本の状況だけをみて、PHSの発展を考えてはいけない。世界のニーズを観察していかなければならない。あまりにも、世界の携帯電話と日本のそれは違う。日本の通信事業者の要求は、低機能のベクトルにはあわせにくくなっている。機器ベンダーは日本に本社があるとつらいかもしれない。世界市場で大規模なベンダーは3G、4Gを手がけてもいるが、何億台も売れているのは、ローエンドの端末だ」

つまり、世界市場で見ると「売れる携帯」は、まだまだローエンドの通話とメールに機能が限定された携帯になっているわけで、世界トップ3の端末メーカーは、そういった低コストの旧世代端末を大量に販売して莫大な利益を上げているわけです。もちろん、日本に上陸したモトローラやノキアのように、先進国のハイエンド市場で活躍している企業もありますが、液晶やモバイル、カメラの機能を見れば、日本のNECや富士通、シャープ、松下電器のほうが圧倒的に優れています。日本の端末メーカーの弱みは、3G携帯(第三世代携帯)の技術水準と付加機能のレベルが高すぎて、諸外国ではまだ十分な需要が伸びてきていないことにあるわけです。しかも、日本の携帯端末は定価で買えば、6万円以上はするように、非常に高いコストをかけて携帯を製造しています。

ウィルコムは、PHSでの生き残り戦略を『通信の低コスト化・通信速度の高速化・容量確保・他の産業分野とのコラボレーション』に見出しているようですが、W-ZERO3を越えるような画期的な製品のイノベーションをまた見せて欲しいと思います。携帯電話の端末メーカーについては、海外市場を見据えた製造をし始めると、日本市場向けの端末の進化が停滞するので非常に厳しいジレンマがありますね。また、今以上に携帯を高機能化させても、それを使いこなせる人の層は限定されるでしょうから、これからは「シンプルな携帯」と「多機能な携帯」と「パソコンに近いスマートフォン」に需要が分極化していきそうな感じがあります。

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テーマ : WILLCOM
ジャンル : 携帯電話・PHS

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