Mozillaがメールに自由にタグ付けして分類できる“Thunderbird 2”を発表!インターネットに情報が増えすぎて、帯域幅・ストレージ容量が限界に!
Mozillaといえば他社に先駆けていち早くタブブラウザを導入しカスタマイズ性にも優れたFirefoxのブラウザが有名だが、Mozilla Japanが次世代メールクライアントとして注目されるThunderbird 2のリリースを発表した。最近は、ウェブ上でやりとりできるフリーメールのスパム対策機能やセキュリティも向上してきたので、ほとんどのメールはGmailやLiveメールで送受信しているのだが、重要な相手とのプライベートなメールや機密性の高い情報はローカルのメーラー(メールクライアント)で受信したいこともある。
かつてローカルでメールを閲覧し保存できるメールクライアントといえば、マイクロソフトのOutlook Expressが一般的だったが、検索機能やスパムメール対策に優れたMozillaのThunderbird 2を使い始めるとOutlook Expressを使う必要性を感じられなくなってくる。見た目の印象や使い方もOutlook Expressとほとんど変わらないので、Thunderbirdを一回も使ったことがない人でも使っているうちにすぐに慣れることができると思う。
Mozilla、タグや履歴機能を搭載したメールクライアントの最新版「Thunderbird 2」をリリースThunderbird 2 は、タグ機能、選べるフォルダビュー、メッセージの表示履歴、高速な検索機能を備えており、これまでになく簡単にメールを整理できます。さらに、アドオンを利用することで、ユーザのニーズに合わせたカスタマイズも可能になっています。
「Thunderbird 2 では、タグ機能など、Web 上のコンテンツを整理するための最新技術をメールに応用しました。タグは最近、ブログやソーシャルブックマーク、写真共有サイトなどで、情報の検索方法として幅広く活用されていますが、メールの整理にも威力を発揮します。」と、Mozilla で Thunderbird の開発リーダーを務める Scott MacGregor (スコット・マクレガー) は語っています。
世界で何百万人ものユーザが、Thunderbirdの使いやすさ、機能、セキュリティに信頼を寄せていると書かれていますが、Thunderbird 2では幾つかの新機能を含む多くの改良が施されていて、快適なメール体験を実感することができます。特に、「メールへのタグ付けによる分類機能」と「インクリメンタルサーチ (逐次検索) 機能による高速な検索」が秀逸であり、毎日数十通から数百通といった膨大な数のメールを処理するビジネスマンやメールのヘビーユーザにThunderbirdはお薦めです。
メッセージへのタグ付けは、今までのバージョンのThunderbirdではデフォルトで搭載された「重要」「仕事」「プライベート」「To Do」「後で」しか選べなかったのですが、「Thunderbird 2」では、メールのメッセージに「お出かけ」「学校の課題」「彼女とデート」といった任意のタグを付けて自由にメールを分類整理することができます。自由なタグ付け機能をインクリメンタルサーチと合わせれば、メールの情報を簡単に追跡し高速で検索できるので非常に便利になりました。また、一つのメッセージに対していくつでもタグを割り当てられるので、「プライベート」「○○さんより」などのタグをつけてメールをより細かく分類できます。
高速な検索機能として搭載されたインクリメンタルサーチというのは、文字を入力し始めると即座に結果が表示される「逐次検索」機能であり、複数のフォルダ内やメッセージの本文を即時的に検索できるということです。検索条件を保存する「検索フォルダ」というものがるので、何度も同じキーワードで検索する場合にはキーワードを入力する手間が省けます。
何百種類も準備されているアドオンという追加機能を利用することで、更にThunderbirdの機能を強化することができ自分だけのオリジナルな外観(デザイン)や使い勝手を実現することができます。GmailやLiveメールといったウェブメールサービスへも簡単にアクセスできる機能があり、ユーザ名とパスワードを入力するだけで面倒なサーバ設定を行わずにウェブメールにログインできます。ウェブメールとローカルのメーラーを連携させてメールを送受信したい人にも、Thunderbirdはお薦めのメーラーだと思います。
インターネットの利用者(ユーザ)の増加と常時接続の光ファイバーによる高速大容量通信(ブロードバンド)の普及、動画コンテンツ(映像を公開するビデオアプリケーション)の飛躍的な増大によって、インターネットの帯域幅のキャパシティが限界に近づいているそうです。つまり、インターネットでダウンロードされたり閲覧(リクエスト)されたりする情報量が大きくなり過ぎて、インターネットのストレージ容量や帯域幅がかなり圧迫されているということですね。確かに一昔前のインターネットに比べると、Googleが買収したYouTubeやUsenのGyaO、はてなのRimoのように、容量の大きな動画(映像)コンテンツを流すウェブサービスが急激に増えた印象があります。
「データ大洪水でWebが悲鳴」米IIA警告米IDCの調査によれば,2007年に世界中で作成されたネットの情報量は,初めて利用可能なストレージ容量を超えたという。過去2年において,電子メールや情報検索よりも多くの帯域幅を消費するビデオ・アプリケーションの急増により,帯域幅の需要は大幅に増加している。IDCは,2006年から 2010年の間に情報量が6倍以上に増加し,988エクサバイトに達すると見込んでいる。1エクサバイトは10億7374万1824Gバイトに相当する。
現在YouTubeで利用されている帯域幅は,2000年にインターネットで消費された総帯域幅に相当するという。ユーザーは毎日,6万5000本の新しいビデオをアップロードし,1億本のファイルをダウンロードしている。1年前から1000%増加している。専門家によれば,インターネット上で1日に 10億本をこえる楽曲がMP3ファイルで交換されているという。
インターネット上に公開される「テキスト・画像・映像(動画)・音楽のコンテンツ」は増える一方ですが、そのアップロードされた各種のコンテンツをユーザが自由に利用できるウェブ環境を維持するためには、帯域幅をもっと大きくするインフラ投資をするか帯域(回線)への負担を下げるネット技術の開発をするかしかないと思われます。ユーザや消費者の側からすると、定額で常時接続できるブロードバンド環境をなんとしても維持してもらいたいところですが、インターネットのストレージ容量や回線の限界を考えると、大容量のダウンロードを頻繁にしないことが「ネットの定額制」を守ることにつながるのかもしれませんね。
動画コンテンツを大量にダウンロードしたりすると帯域幅の使用量が増えますが、テキストや画像だけで構成されたサイトやブログしか見ないという人の場合にはそれほど回線への負担はありません。そう考えると、最近のユーザ層にはテレビと同じような感覚で、動画を中心にしてネットを楽しみたいという人が増えているのかもしれません。
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