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2007.04.2417:01

ウェブ広告「Panama」とSNS「Yahoo!360」に力を入れるYahoo!の長期的な経営ビジョンは上手くいくのか?ダブルクリックを31億ドルで買収するGoogleの意図は?

第1四半期の決算で前年比70%増の営業利益を達成したGoogleに対して、Yahoo!は収入(売上)は増加したものの利益は減少し株価も停滞を続けています。Googleの基幹事業は検索連動型広告のGoogle Adwords」とユーザのコンテンツに広告を連動させたコンテンツ連動型広告のGoogle Adsense」ですが、Yahoo!も今まで広告事業の中心だったOverture(オーバーチュア)だけでは力不足と感じ「Panama(パナマ)」と呼ばれる広告事業の新プラットフォームを導入してきています。

Yahoo!のコンテンツ連動型広告の新プラットフォームである「Panama」の運用は順調に進み、広告主の評判もなかなか良いと言われていますが、まだPanamaによる利益増加の目立った効果は現れてきておらず、Yahoo!のネットワーク部門担当シニアバイスプレジデントのJeff Weiner氏によると、2007年の第2四半期からPanama導入による増益効果が出てくるだろうということです。また、Yahoo!のJeff Weiner(ジェフ・ワイナー)氏によると、Yahoo!は既存の大手メディアや大手ファンドなどとの戦略的なパートナーシップに努力しており、10年以上の長期的展望のもとで経営を進めているところに強みがあるといいます。

Web 2.0 Expo - 最後に立っているのはYahoo! カギはSNS

Yahoo!はWeb上の最大のネットワークである。それにも関わらず、ネットユーザーの注目はGoogleに集中している。この点についてWeiner 氏は、過去3~4年の間にGoogleが上手く事業を展開したのに対して、Yahoo!はつまづきながらの成長だったという。だが、Yahoo!は 11~12年の長期的な視野で事業を展開していると説明。実際にPanama、Yahoo! Pipes、新聞社との戦略的提携など、長期的な取り組みの成果が高い評価を受けているとアピールした。

コンテンツ所有者に対するアプローチについて、Yahoo!とGoogleの違いを聞かれると、Googleとの直接の比較では回答を避けたが、 Yahoo!がメディア企業の権利を尊重したことで、NBCやUniversal、Viacomなどと共に最大のビデオネットワークの構築を実現できたと述べた。ニュースや音楽、金融・経済などの分野においても、メディア企業と良好な関係、コンテンツの優れたパッケージ化がトップの座につながっているという。

確かにGoogle傘下にある動画共有サイトのYouTubeなどの動きを見ていると、Googleは既存の大手マスメディアに対して良い意味でも悪い意味でもチャレンジング(挑戦的・対抗的)であり、それがウェブユーザにとってのGoogleの魅力になっていると思います。それに対して、Yahoo!は既存の大手メディア企業に対して「親和的(協同的)」であり、どちらというと保守的で防衛的な側面が強くなってきています。Googleが既存のビジネスの仕組みは破壊する方向にイノベーションを繰り出しているとすれば、Yahoo!は既存のビジネスのルールも尊重しながら他の大手メディアとも協同歩調をとっているという感じでしょうか。

最後に最大のウェブ企業として残るのはYahoo!なのかGoogleなのかは分かりませんが、ウェブ業界で成長し続ける巨人であるGoogleの危うさがあるとすれば、都合の悪い情報を隠そうとする国家権力との衝突など政治的なイシューか、個人情報保護の名目によるGoogleのウェブサービスの法規制か、コンテンツ所有権を持つメディア企業との訴訟リスクでしょうね。ユーザのプライバシー保護や反トラスト(独占禁止)の観点から、Googleの影響力があまりに強大になることを懸念する声はアメリカを中心に大きくなってきているようです。

インターネット広告最大手のダブルクリック(Double Click)をGoogleが31億ドルで買収することについても、一部の公益団体から強い反対意見が出ていますね。GoogleのCEOエリック・シュミットはDouble Click買収の意図について、「広告提供の場の拡大・アートとサイエンスを融合させた広告の可能性」などを挙げています。Yahoo!の影響力が強い日本を除いて世界各地でGoogleの検索エンジンの利用率が高まっていることを考えると、ますますウェブ内部の広告事業でGoogleの存在感と影響力は強くなるでしょうね。

個人情報の保護については、「ウェブ内部の検索履歴や閲覧履歴」などを重要な個人情報と考えるか否かで判断が変わってくると思いますが、僕は「日本全国で数十億分の1の検索履歴」に過ぎない自分のクエリ(検索キーワード)について統計情報として活用する分には問題を感じません。また、「個人情報・プライバシーの保護」は検索エンジンとウェブサービスで利益を得ているGoogleにとって事業を順調に続けていくための生命線ですから、恣意的に個人情報を漏洩する危険性は低いのではないでしょうか。余り重要な個人情報をウェブに上げないという個人的な危機管理を心がけながら、GoogleYahoo!ウェブサービスを利用すべきとは思いますが、クレジットカードの番号や知られたくないプライバシーの管理に気をつければ大丈夫ではないかと思います。

上記の引用記事では、ウェブで生き残れるか否かのポイントをSNSにおいていますが、僕個人がmixiやGree、モバゲーなどを見ている限りではSNSと検索エンジンの市場は親和性もありますし、SNSがウェブ全体のメインストリームとなるほど破壊的な勢力に成長するかは疑問だと思います。その意味では、Yahoo!もSNSのYahoo!360よりもウェブ広告の新プラットフォームPanamaを大切に育てていくほうが賢明だと思いますし、SEM強化のためにオーバーチュア(Overture)を子会社化した日本のヤフーの経営判断も悪くないのではないでしょうか。

その理由としては、ユーザの多くが手間と時間をかけてアップロードする作業よりも気楽にダウンロードする作業を好むことがあり、SNSのユーザ増加数が停滞を続けていてSNSに対する飽き(疲れ)によってアクティブユーザの減少が見られ始めていることがあります。Yahoo!のSNSである「Yahoo!360」もいまいち盛り上がっていませんが、GoogleのSNS「Orkut」ももう既に勢いがなく終わってしまったサービスという印象が強いですね。これからmixi以上のSNSがでてきて、数千万人のユーザを獲得できるかといえば極めて難しいと判断せざるを得ませんし、リアルの人間関係をウェブに持ち越すというアイデアの斬新性が薄れており、親しい友達であればメールでもいいんじゃないといった感覚もあります。

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