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2008.11.0305:08

若手の勤務医に対する劣悪な職場待遇・給与設定の問題と民間病院の景気悪化!

若手の勤務医に対する劣悪な職場待遇の問題と民間病院の景気悪化!

激しい頭痛と嘔吐を訴えた妊産婦が緊急搬送を拒否され、東京都の墨東病院で脳出血のために亡くなるという悲しい事件がありましたが、『医療崩壊の問題』は周産期母子医療や小児医療だけの問題ではなくなっているようです。医療崩壊の最大の要因は『医師不足』と『医師の二重の偏在』ですが、二重の偏在というのは『都市部への医師の集中』と『労働負担(訴訟リスク)が小さく利益率が高い診療科への医師の集中』という現象のことを意味しています。現在の医療業界において、重病重傷の患者や緊急医療措置が必要な患者を外科・内科で見てくれる勤務医は国民の生命を守ってくれる『即戦力・重責の担い手』として非常に価値の高い感謝すべき存在になっています。

医師免許の保持者は自由に診療科と雇用形態を選択することができますから、功利主義的に考えれば『生命の危機』に直面するリスクの高い診療科や緊急医療の現場などを選びたい医師は少なくなり、『長時間労働・患者を死亡させるリスク・訴訟を提起されるリスク』を回避したいと考えるはずです。しかし、実際には『患者の生命を守るため・医療の重責を果たすため・医師としての技術と矜持を高めるため』に、緊急医療や小児医療・周産期医療の現場で必死になって疲労困憊しながら働いてくれる医師たちがいて、社会に必要な最低限の医療サービスが維持されています。医療体制に綻びが目立ってきているとは言っても、偶発的な緊急外来での搬送困難を除けば、私たちが外科・内科・小児科などの医療を全く受けられないという状態はそうそう多くあるものではなく、大抵は予約しておけばどこかの病院で怪我や病気の治療・手術を受けることができます。

医師が患者の死亡リスクの高い現場を選んで働く動機づけはさまざまでしょうが、それでも『長時間労働・休日の緊急呼び出し・(医師としては)低賃金の報酬』を我慢して骨身を削って勤務医として働いてくれる人が数多くいることに感謝と敬意を覚えずにはいられません。どの診療科で働くことが素晴らしいというような価値判断は無意味なものであり、美容整形や皮膚科、耳鼻科、眼科などの生命の危機に直面することの少ない診療科も需要の大きな診療科であり、現代社会で安心して生活するために必要不可欠な医療サービスです。しかし、それでも外科(執刀医)・内科・緊急医療を選ぶ医師が極端に少なくなれば『生死の危険がある病気』に必要な治療を受けられないリスクが高くなってしまいますし、リスクを執って危険な手術や新技術(新しい治療法)の適用にチャレンジしてくれる医師がいなくなれば、更に多くの患者を救う医学の進歩の歴史は止まってしまいます。

しかし、社会の安心を維持するための医療インフラを担っている勤務医の雇用待遇は余り良いものとは言えず、過労死寸前のサービス残業を強いられながらも十分な報酬を得ることが難しい状況に置かれています。以下のJ-CASTの記事では、同年齢の高校教師よりも医師のほうが平均給与が低いという意外な統計調査の結果がでていますが、『医学部進学の難易度』や『臨床に関する技術・知識習得の大変さ』を考えるともう少し給与水準が高くてもおかしくないと感じます。

若手は手取り月20万円台 信じられない勤務医の待遇

日本医師会がまとめた給与に関する調査結果によると、医師の年俸は814.9万円(35.4歳、所定内給与+残業手当など込み)だった。パイロット(39.3歳)が1381.7万円でもっとも多く、大学教授(55.8歳)が1189.1万円、記者(36.3歳)が962.2万円、高校教諭(35.4 歳)が849.6万円。この調査だと、同年齢で医師は高校教諭よりも安いという、意外な結果になっている。

例えば、国立病院や都府県立病院だと「基本給+地域手当(もしくはへき地手当)+初任給調整手当」の合計が給与となる。初任給調整手当とは、民間病院との給与格差をなくすために、プラスされるもので、医師や歯科医、助産師などに支給される。ちなみに、東京都が現在募集をかけている都立病院の常勤医師の給与は、採用サイトによると「医師免許取得3年目で月収48万3500円程度、5年目で51万9300円程度、10年目で59万8500円程度」。このほかに扶養手当、住居手当、通勤手当、宿日直手当、ボーナス(08年度は年間4.5カ月分)がつく。

医学部は大学入試制度の中では最難関の学部であり、大学名に関わらずどの大学の医学部でもそれなりの学力が要求されますが、現在では医師という職業は報酬面では『社会的エリート』と呼べないものになってきている部分があります。苛酷な勤務条件に耐えられずに自殺する新人医師が出て報道されることもありますが、生真面目な医師ほど過労で満足のいくレベルの診療ができないことに精神的に追い詰められて退職を余儀なくされるケースがあるようです。本来、勤務医としての十分な技術と知識を持っているはずの医師が、苛酷・不当な雇用条件のために押しつぶされるというのでは、今後の日本の医療インフラを維持していくことは更に難しくなるでしょう。体力の限界を無視して1日に15時間以上も働かされるような過労状況を放置すると、冷静な医学的判断や技術の適用が難しくなり、医療ミスが起こるリスクも高まってしまうので医師だけでなく患者にとっての不利益も大きくなります。

大規模な先端医療を実施している病院では、専門分野の知識と技術の修得を目的とした研修(レジデント)を募集していますが、国立がんセンター中央病院で募集している27~32歳のレジデントの年収は約360万円ということで大卒のサラリーマンと比較してもかなり少ない給与設定になっています。高額な時給をもらえる臨時アルバイトや派遣業務というのもあるようですが、本業で十分な報酬が得られない状況では、診療に対するモチベーションや医師自身の心身の健康管理に多くの問題を残すことになりそうですね。全日本病院協会が2008年10月30日に発表した「08年度病院経営調査報告」では、32%の民間病院が経営悪化に陥っているという調査もあるので、医師の雇用待遇や労働条件を十分に改善することは難しいのでしょうが、過労死やモチベーションの急激な低下をもたらさないようなレベルの労働条件を整えていって欲しいと思います。

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