ヤフーがGyaOを買収してYahoo!動画に統合!YouTubeは09年決算で4億7000万ドルの赤字を計上することになるのか?
ヤフーがGyaOを買収してYahoo!動画に統合
数年前までは、日本で最大の動画サイトと見られていたUSENが運営する「GyaO」ですが、最近は「ニコニコ動画」や「YouTube」に押されて存在感が薄くなっている印象がありました。GyaOはかなりの投資をして「良質なコンテンツ(著作権のあるコンテンツ)」をアップロードしているので、芸能人やアニメ、映画、ドラマなどの動画コンテンツでは優れているのですが、ニコニコ動画など「動画共有サイト」のような閲覧者同士のコミュニケーションの盛り上がりには欠けていますね。
ヤフー(Yahoo!)は2009年4月7日に、動画サイトを運営する「GyaO」を買収して子会社化することを発表していますが、ヤフーの動画サイトである「Yahoo!動画」と「GyaO」を統合することで国内最大規模の動画サイトを目指すようです。Yahoo!動画もネットではいまいち話題になることの少ない動画サイトなのですが、Yahoo!ユーザーが大量に利用しているので、一定のトラフィックを保ちやすいという強みがあり、今後どのようなサービス展開やコンテンツの強化をしていくのかが気になります。
GyaOの08年8月期の決算は売上高が53億9400万円で、営業損益は27億1700万円の赤字ということで、GyaO単体での黒字化はかなり難しい状況なのですが、日本最大のポータルサイトであるYahoo!と統合することでどこまで業績を回復できるのでしょうか。しかし、ニコニコ動画もYouTubeもなかなか有効なビジネスモデルを構築できずに、『アクセス(トラフィック)と広告業の売上は増えても、全体では回線・ライセンス料のコスト増大によって大幅な赤字になる』という状況が続いていますね。
YouTubeは09年決算で4億7000万ドルの赤字を計上することになるのか?
上で書いたように、動画共有サイトの人気やトラフィックは急激に拡大して、動画につけている広告の売上収入も飛躍的に伸びているものの、それ以上のスピードで『動画コストを運営するコスト』が増えており、なかなか営業利益を上げることができていない厳しい状況です。以下の記事によると、いくら『広告収入・アクセス』が増えても、それ以上に『回線やサーバーのコストによる支出』が増加していくので、現在の景気情勢では、動画共有サイトで安定的に利益を生み出すビジネスモデルを作り出すのは難しいようですね。
「ユーチューブ」もうジリ貧なのか 09年は赤字4億7000万ドル!!
スイスの金融機関クレディ・スイスが09年4月に発表したレポートによると、ユーチューブは09年に2億4000万ドル(239億円)の収入(前年比20%増)を得るとしていますが、回線維持のコスト、コンテンツのライセンス料、サーバーの維持コストなどの支出が7億1100万ドル(708億円)にまで上昇するので、営業収支は最終的に『4億7000万ドル(468億円)の赤字』になってしまうと予測しています。
一番お金がかかっている支出は『回線関係のコスト』で全体の51%にもなり、1日あたり100万ドルも安定した回線の維持のために支出しています。このままだと、YouTubeもニコニコ動画も単独で大きな営業利益を生み出すことは難しいように見えますが、『回線・サーバーのコスト』に見合うだけの『大手企業・政府機関等の広告出稿者』が現れてくるかどうかが利益化(黒字化)のポイントになってくると思います。
大規模な動画サイトを維持するために、1日に約1億円の回線コストがかかるというのも驚きですが、動画サイトへのアクセス数は急速に増え続けていますので、このアクセスを何とかマネタイズ(収益化)するビジネスモデルを考えないといけないということでしょうね。現在の主流である『広告事業』以外に、何か新たな収益源になるような仕組みを動画サイトに組み込めればいいのでしょうが……大半のユーザーは『興味のある動画を見る』という目的を持ってサイトにアクセスしているので、そこで何か商品やサービスを購入させるというのもなかなか難しそうです。景気回復によって大手の広告クライアントが増えてくれば、だいぶ赤字幅は圧縮されるのでしょうが。
- 関連記事
-
- Microsoftが「Live Search」から「Bing」へ検索ブランドを変更!第76回日本ダービーは2番人気のロジユニヴァースが優勝!
- ヤフーがGyaOを買収してYahoo!動画に統合!YouTubeは09年決算で4億7000万ドルの赤字を計上することになるのか?
- 100種類以上のアドインに対応した「IE8」の正式版が公開へ!