簿記の基礎知識10:負債の仕訳(買掛金・支払手形・借入金・未払金)
前回は、資産のうち債権の仕訳について書きましたが、今回は『負債』の仕訳について説明します。負債とは『将来の支払義務』であり、借方には『負債の減少』、貸方には『負債の増加』を書きます。
負債の代表的なものとして、『買掛金・支払手形・預り金・借入金・未払金』などがあります。信用取引で商品を売った場合には、資産としての「売掛金」が増えますが、買った場合には負債としての「買掛金」が増えます。
信用取引(掛け取引)で、後払いする未払いの料金を「買掛金」といい、代金を決済する為の証券を振り出すことを「支払手形」といいます。これらは負債ですが、債権を得るほうからすると「売掛金・受取手形」という勘定科目になります。
買掛金を小切手で支払った場合には、借方に「買掛金」(負債の減少)を書き、貸方に「当座預金」(資産の減少)を書き込みます。商品の仕入を掛け取引で行った場合には、借方に「仕入」(費用の発生)、貸方に「買掛金」(負債の増加)を書き込むことになります。
商品の仕入を約束手形で行った場合には、借方に「仕入」(費用の発生)、貸方に「支払手形」を書きます。約束手形の満期が到来して、そのお金が当座預金から引き落とされる場合には、借方に「支払手形」(負債の減少)、貸方に「当座預金」(資産の減少)を書き込みます。
金融機関から資金を借り入れた場合には、負債の「借入金」が生じます。借入金には利息がつきますので、借方に「普通預金」(資産の増加)「支払利息」(費用の発生)を書き、貸方に「借入金」(負債の増加)を書くと、仕訳帳の左右がつりあいます。
利子のつく借入金を分割で返済する場合にも、同じように、借方に「借入金」(負債の減少)「支払利息」(費用の発生)、貸方に「普通預金」(資産の減少)を書いていきます。
企業が従業員に給与支払をする場合には、所得税と保険料などを源泉徴収(天引き)しますが、このお金を「預り金」といい、これも負債に含まれます。「預り金」の簿記は、借方に「給料」(費用の発生)を書き、貸方に「現金」(資産の減少)「預り金」(負債の増加)を書き込みます。
備品の購入代金など営業取引(仕入)以外の取引は「未払金」の勘定科目で処理し、借方に「備品」(資産の増加)、貸方に「未払金」(負債の増加)というように書きます。
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