民主化運動に貢献した韓国の金大中・元大統領が死去、23日に『国葬』の予定!
民主化運動に貢献した韓国の金大中・元大統領が死去、23日に『国葬』の予定!
今年は、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)・前大統領が親族の不正な利益供与(産業界との癒着)の疑惑追及を受けて自殺するという大きな事件が起こりましたが、8月18日午後に、今度は金大中(キムデジュン)・元大統領が入院先のソウル市内の病院で多発性臓器不全のために85歳で亡くなったということです。
金大中・元大統領は、韓国の『軍事政権時代(朴正煕・全斗煥が指導する軍部が政権を掌握していた軍事政権)』に民主化運動で果敢に抵抗した闘士として知られ、80年に民主化運動を弾圧した『光州事件』では、全斗煥将軍らの軍部から内乱陰謀罪の嫌疑を受けて死刑判決を下されたという異色の履歴を持ちます。1973年には、東京で滞在していたホテルから、韓国中央情報部(KCIA)によって無理やりにソウルへ連れ去られるという『金大中拉致事件』も起こっています。
金大中は1961年から国会議員を務めていましたが、1982年に金大中が光州事件で下された死刑執行命令が停止されます。そこから、大統領選挙による政権の獲得を金大中は目指し始めたのですが、4度目の挑戦が実って1997年に大韓民国の大統領に就任しました。大統領に就任して間もなくの1998年には、IMF(国際通貨基金)から資金援助を受けなければならないような韓国・アジアの通過危機に見舞われたのですが、韓国国内の市場経済の改革や大胆な財政・金融政策などを行って危機を乗り越えました。
金大中・元大統領は、北朝鮮との平和的な対話に基づく融和路線である『太陽政策』を唱導したことでも知られる左派(進歩派)の政治家でしたが、日本の文化や歴史に対して強い興味関心を寄せていた日本にも親和的な態度を示す政治家でもありました。1998年に日本を訪問した際には、当時の小渕恵三首相との間で『日韓共同宣言』を採択しており、それまで厳しく規制されていた『日本の大衆文化(音楽・映像・芸能人)』が韓国に開放されるきっかけを作りました。
金大中・元大統領の北朝鮮融和政策である『太陽政策』には、現在の韓国でも批判的な見方はありますが、民主化路線を確実に軌道に乗せて、武力に依拠し過ぎない外交政策の手段を模索したという点では評価できる韓国の大統領だったのではないかと思います。23日には、金大中元大統領の葬儀が韓国で最高に格式が高い『国葬』で執り行われる予定となっており、1979年に死去した朴正煕元大統領の葬儀に続いて2例目の国葬になるということです。
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