2008年の派遣社員が過去最多の延べ399万人に!JAL(日本航空)の経営再建支援と企業年金削減の問題!
2008年の派遣社員が過去最多の延べ399万人に!JAL(日本航空)の経営再建支援と企業年金削減の問題!
大企業・官庁のボーナス削減のニュースや大手マンションデベロッパーとして好調だった穴吹工務店の破産のニュースなどを見ると、まだまだ日本を覆っている不況・デフレ経済の影響が深刻なことが感じ取れます。JAL(日本航空)の経営再建やつなぎ融資も、『企業年金の減額に対するOB・労組の反対運動』によってなかなかスムーズに進んでいませんし、民主党政権はJALが企業年金を削減できない場合には公金投入ができないというアナウンスを出しています。
あるいは、民主党は強制的にJALの企業年金を削減する法案を提出したいとしていますが、この法案は『退職金の後払いという性質を持つJALの企業年金』に適応すると財産権侵害で憲法違反になるのではないかという反論も出ています。この問題の解決は難しいですが、企業年金は母胎となる企業が倒産して事業を継続できなくなり内部留保を失えば支払えなくなるので、最終的にはJALを潰すか企業年金を減らすかという選択になればOB・労組も折れざるを得なくなるような気もします。
最後まで交渉をつっぱねてJALが消滅して企業年金がゼロに近づくのであれば、JALの経営陣側の提案である『企業年金の3割削減の条件』を飲んだほうが得ということになるでしょう。今のJALが無くなっても、日本の航空交通が極端に不便になるわけではなく、消費者には他のANAやスカイマークなどの選択肢がありますから、何が何でも税金の公的資金で救済しなければならないかといわれると国民に対する説得力は弱いと思います。仮に現在のJALが破綻して法的整理をされても、外資かどこかに買収される可能性が高いですから、現行のJALよりも合理化された経営理念の下で日本の主要都市を結ぶ航空便は飛び続けるでしょう。
中国をはじめとする外需の持ち直しで、日本の貿易黒字は拡大基調を示してきていましたが、急速に86円台の円高へと為替相場が動いており、このまま円高が進むと「自動車・電機・鉄鋼」といった日本の輸出産業の営業利益を大幅に圧迫する恐れもでてきています。
昨年から去年にかけて、『不安定・低賃金な派遣労働の問題』がクローズアップされてきましたが、あれだけ自動車産業・工場労働者を中心として大規模な派遣切りが行われた後でも、未だに派遣労働という雇用形態に頼らざるを得ない『企業体力の衰え(長期安定雇用できない収益力と財務体質の弱さ)』が残っています。
厚生労働省が26日に発表した『2008年度の派遣労働者数』の集計では、派遣労働者数は前年度比4.6%増で延べ約399万人と過去最多になったということです。派遣雇用の内訳は仕事があるときにだけ一時的に雇用する『登録型派遣』が約281万人、正社員と同じように常勤勤務で雇い入れる『常用型派遣』が約118万人となっています。
製造業の派遣従事者も増加傾向を示しており、今後も雇用格差や派遣切りの問題を抜本解決するのは難しそうです。派遣労働を禁止すれば『雇用の量』が落ち込んで有効求人倍率が下がるので、仕事がないよりもあったほうがマシという現状をどう乗り越えていけるのか、企業の雇用方針の問題と政策的な課題が多く残されていますね。
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