政府の『子ども・子育てビジョン』、子ども手当てに続き保育所定員の26万人増!『認定こども園』の増設を幼保一元化の足がかりに!
政府の『子ども・子育てビジョン』、子ども手当てに続き保育所定員の26万人増!『認定こども園』の増設を幼保一元化の足がかりに!
29日の閣議で政府は、子ども手当てを支給する法案を閣議決定しましたが、更に『誰もが子育てしやすい環境を整備する』という理念を掲げて『子ども・子育てビジョン』というものを策定しています。『子ども手当て』は初年度に子ども一人につき月額1万3千円、来年からは2万6千円が支給されるというもので、この育児支援制度によって子育て世帯は経済的に助かりますが、もう一つの問題として『働いている母親の育児環境の整備』があります。
政府はこの問題に対して、『幼保一元化(幼稚園と保育所の統合)・保育所の増設・保育所設置の規制緩和』を継続的に推進していくプランを掲げています。『子ども・子育てビジョン』にも保育所の増設と定員数の増加について、数値目標が明確に設定されており、これから子育てをしていく若年層・共働き世帯が、子どもを育てやすい環境を整えようとしています。
今まで『幼稚園・保育所の設置基準』について国の監督省庁(厚生労働省・文部科学省)が厳しい規制をしてきましたが、こういった設置基準の権限を地方自治体の裁量に任せる『規制緩和』も進められる予定となっています。『縦割り行政の弊害』を是正する施策としては、厚生労働省と文部科学省が2010年度に幼稚園・保育所の機能を持っている『認定こども園』の制度改正をして、認定こども園をもっと設立しやすくするようです。
現在は幼稚園、保育所でそれぞれの会計書類の作成が必要なのですが、これをどちらか一方だけで済むように制度改正して、幼稚園・保育所の両方を運営している運営事業者の負担を軽くします。今は、幼稚園は学校法人会計基準に基づく会計書類を、保育所は社会福祉法人会計基準による書類を作成しなければならない義務があり、『事務処理・人件費のコスト』が大きくなるため、認定こども園増設の障害になっているのです。幼稚園教諭免許と保育士資格の資格取得条件も緩和して、両方の資格を取れる人材を増やすことも計画されており、『認定こども園』は中長期的に幼保一元化に向かうための制度と見ることもできそうです。
2009年度見込みで認可保育所(平日昼間)の定員は215万人なのですが、2014年度にはこれを241万人へと拡大して、より働いている女性が子どもを持ちやすくする計画が立てられています。小学校1~3年生を対象とする学童保育の『放課後児童クラブ』についても、2009年度の81万人から2014年度には111万人へと拡大することを目標に掲げています。この辺の育児支援改革は、男女共同参画社会のビジョンに基づくものでもありますが、現実的に女性も働かなければ家計を維持できない世帯が増えているので、保育所・学童保育の拡充は少子化対策に必要不可欠と言えるでしょう。
『社会全体で子育てを支える』というビジョンに支えられたこの育児支援計画ですが、これらの育児支援に必要な財源は14年度に約7000億円、17年度に約1兆円になるという試算がでています。少なくない予算ですが、社会・経済・未来を支える新たな国民の数を維持するための施策ですから、しっかり財源を確保して出産育児のプロセスや働く女性のニーズなどを支援していく必要があると言えそうです。
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