「運動習慣」が病気予防に効果があるのかは遺伝子によって異なる!
「運動習慣」が病気予防に効果があるのかは遺伝子によって異なる!
規則正しい運動習慣を身に付けることは、以前から「生活習慣病の予防」「病気になりにくい健康管理・体力向上」に役立つとされてきましたが、信州大学のスポーツ医学研究グループの研究で「個人の遺伝子」によって運動による生活習慣病の予防効果に差があることが分かったそうです。
8日づけの米医学誌「ハイパーテンション(電子版)」に、その信州大大学院医学系研究科の増木静江助教と能勢博教授らのグループの調査結果が掲載されたそうです。能勢博教授らは中高年の生活習慣病の予防と体力強化のために「インターバル速歩」という運動を、754人の被検者に行わせてその結果を観察しています。5カ月間で週4回ずつ、最大速度の7割の速さで3分間歩き、次の3分間はゆっくり歩く運動を5回繰り返させる「インターバル速歩」を行わせた結果、運動に反応する遺伝子が発見されたということです。
運動に反応する遺伝子の違いによって、「運動に対する感受性」が変化してくるということで、同じ量・頻度の運動をしても「高血圧・高血糖」が改善されやすい人もいれば、改善されにくい人もいるということですね。血圧調節や糖代謝などを促進するホルモンに反応する受容体の遺伝子の違いに由来するということですが、運動習慣そのものが全く役立たないわけではないので、「運動をしないよりはしたほうがいい」という結論の健康法は変わらないわけですが。
5ヶ月後の追跡調査では、特定の遺伝子タイプを持つグループ(太っているグループ)は、血圧や悪玉コレステロールなど生活習慣病の指標がかなり大幅に改善していたということで、どちらかというと太めの体型の人のほうが運動習慣による健康増進効果(生活習慣病予防効果)は大きいようです。運動による健康増進の効果が大きい遺伝子タイプは、全体の約3割であり、男性にしかこの遺伝子による運動効果の差は確認されていません。女性にだけなぜ遺伝子タイプによる差がないのかは推測する他ありませんが、「規則的な運動習慣」を身に付ける必要性は「健康を維持したいと思う男女」ともにありますね。
- 関連記事
-
- メタボリックシンドロームの腹囲基準に科学的根拠は無し!特定の数値での線引きは困難!
- 「運動習慣」が病気予防に効果があるのかは遺伝子によって異なる!
- 子どもの『全国体力テスト』で地域差が顕著に!学校保健統計調査で、肥満の子供が減少!