韓国G20の共同声明、『世界経済は予想されていたよりも速いペースで回復』!アメリカの雇用統計で政府の臨時雇用が大幅増、民間雇用は伸びず!
韓国G20の共同声明、『世界経済は予想されていたよりも速いペースで回復』!
ギリシアの財政破綻やポルトガル・ハンガリーなどの財政危機の報告によって、EUのヨーロッパ市場とユーロが不安定になっていますが、世界経済は概ね予想よりも早いペースで回復基調に乗っているとG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)は伝えています。EU経済やEUの株式市場の悪化を受けて、日本やアメリカの株式市場も低迷傾向を続けていますが、世界全体ではサブプライム・ショック以降、順調に景気が回復しているとの見通しです。
マクロな経済指標での景気回復が、ミクロな国民ひとりひとりの可処分所得の増加につながっていないのが問題ですが、G20の声明では欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)による『断固たる措置』を歓迎するとしており、特に財政悪化が続いている国々に対して『強力な財政健全化策』を取るように求めています。
経済成長のポテンシャルが高い中国・インド・ブラジルなどには、更なる経済成長の拡大を求めると共に、ガイトナー米財務長官はG20にあてた書簡で、中国、ドイツ、日本を名指しして内需拡大を求める厳しい意見を出しています。日本経済の内需回復が遅れていて、財政状況も危機的な水域に近づいていることを、世界経済は強く懸念しているようですが、日本の労働環境や雇用情勢、所得水準の推移を考えるとかなり厳しい注文のように感じられます。
峰崎直樹財務副大臣は同会合後の会見で、日本が財政再建と経済成長という政策の両立に取り組む決意を伝えており、6月26~27日にカナダ・トロントで開催予定のG20首脳会議では、菅直人新首相が『中期財政フレーム・財政再建策のロードマップ』について報告することが確認されています。韓国・釜山のG20で注目されていた『銀行税導入計画・銀行資本規制』は、各国の間で意見の調整がつかずに合意に至ることができず、見送られる運びとなっています。
アメリカの雇用統計で政府の臨時雇用が大幅増、民間雇用は伸びず!
アメリカが5月の雇用統計を発表しましたが、失業率は前月比0.2ポイント低下の9.7%で、非農業部門の就業者数(季節調整済み)が前月比で43万1,000人増となり、雇用が一時的に大幅な回復を見せています。アメリカ経済そのものも順調に回復していて、就業者数も5ヶ月連続で増加していますが、今回の約43万の雇用増加のうち、約41万は米政府が国勢調査実施のために雇った臨時雇用なので、本格的な雇用情勢の回復とは言いがたいようです。
政府が一時的な臨時雇用で雇用統計を回復させていますが、民間雇用は前月に比べて大幅に伸び悩みを見せており、調査会社の予想も下回ることになりました。リーマンショックが起こった2007年以降の金融危機で、アメリカでは約800万の雇用が失われて失業者が急増したと言われていますが、米国経済はここ1年間でかなり持ち直しを見せてきており、雇用の吸収力も高まってきてはいるようです。
5月の民間部門の就業者数は4万1,000人増で、前月の同21万8,000人増から大幅に減っていますが、アメリカ経済に早く立ち直ってもらって、世界経済を主導してもらわないと日本・EU・中国などの景気上昇もなかなか進まないでしょうね。アメリカの労働市場は、失業リスクも高いが就業チャンスも多いという『雇用の流動性の高さ』に特徴がありますが、そういった短期・中期の雇用サイクルを上手く回していくことができるようになれば、アメリカの雇用・所得も安定しやすくなってくると思われます。
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